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ご先祖様に感謝~母のことばの確かさを知る
朝9時半から6時間近くの講義を受けて、食品衛生責任者になりました。
朝から夕方、見える形で一歩前進。
違う前進もありました。
講習会の休憩時間にトイレに行き、ふと子ども時代の母との会話を思い出しました。
わたしは台所で夕飯を作る母のもと、ダイニングで漢字練習をしていました。五年生くらいかな。「衛」という漢字をなかなか覚えられず、その字を嫌いだと言いました。母は、
「お母さんは衛っていう字好きよ」
と言いました。
そうか、お母さんが好きな字なんだ。気を取り直して練習して書けるようになりました。そしてわたしも好きになり、将来子どもが生まれたら「衛子」にしようとまで思いました。
母は本当にその字を好きだったのかな、しかしその一言で娘は「衛」の字を書くことをあっという間に克服しました。
最近息子が体調を崩して学校を休みました。
午後、買い物をしなくてはならず、人からものを受け取る用ができたのもあり、少しの間家を空けることになりました。息子は熱もなく元気、快くわたしを送り出してくれました。
お友達と話しこんでしまい、予定より遅く帰宅したら息子が気弱な様子でした。頭が痛いと言います。あらら、予定より遅くなり申し訳なかった。横になっている息子のところに行って、あおいでみたり保冷剤を渡してみたり、世話を焼きました。吐きそうなんていうので、彼のハイベッドにいると素早くトイレに行ったりできないので、夫のベッドに移動させました。
頭が痛いってこれから熱が出るのかな、イヤだな。でも弱気でめそめそしてるからこれをまず何とかしようと、面白いことをたくさん言って変顔をしてみせました。息子が笑いました。よかった。
そうだ、ぼぼくん、具合がよくなるようご先祖様にお願いしよう。
お母さん、最近ご先祖様の名前を調べたから結構知ってるんだ。
お母さんのあとに続いて呼びかけなさい。
息子は素直にわたしのあとに続きました。
「○○グンジロウさん、いつもありがとうございます。治してください。」
「○○ヨシさん、元気にしてください、お願いします」
「○○ハルさん、治してください、お願いします」
延々と知る限りの祖父母やその両親の名前、夫の祖父母なども入れて、息子に言わせました。
息子は滑舌が良くなく、シンジロウがチンジロウと聞こえたりするのでちがーうと言うとげらげら笑いました。
「一億人以上のご先祖様の皆さま、治してください」
「元気になってきた?」
「うん、頭痛くなくなった」
「さすがご先祖様だね」
最後に、「よかった、ありがとう」で締めました。
息子はそのひとときですっかり元気になりました。
ご先祖様のおかげ以外の何物でもないのですが、彼が母であるわたしのことばを信じたことで起こったことだとも思えます。
今日、ふと母のそばでした漢字練習のことが浮かび、母のあれを約40年を経てできたのだと思えました。
食品「衛」生責任者講習の思わぬ産物。
よかった、ありがとう。