見出し画像

シェードガーデンにエビネ! 成功のポイントと裏技を伝授

本来エビネは日本の野山の林の中の日陰に自生しているラン科の植物で、庭木の下や建物の陰など春のシェードガーデンの主役にすることができます。

ただし、山野草になるので、栽培管理にはそれなりの注意が必要です。

ここでは一般的なエビネ栽培法とともに、シェードガーデンでエビネを栽培するに当たっての成功のポイントと裏技を伝授しましょう。

エビネって、どんな植物?

エビネ属はラン科の一員ですが多くの洋ランとは違って地中の球茎に養分を蓄えます。

この球茎がエビに似ているので海老根と呼ばれるようになったようです。

エビネの最大の問題点は植物ウイルスに感染しやすいこと。

原種の場合、通常の環境下で長期にわたって同一個体を維持することは困難です。

エビネ栽培の注意点は、
1.日陰で管理する
2.水はけをよくする
3.水切れさせない
4.品種(場合によっては個体)の性質を十分把握する
5.ウイルス感染株に触れた手やハサミなどはしっかり消毒する
の5点でしょうか。

植物ウイルスに感染したら、諦めてすぐに株全体を処分してください。

エビネの種類

エビネには多くの原種がありますが、同属の他種とも交配可能なので様々な交雑種が販売されています。

特に海外の強健種との交雑種は条件が良ければ自然に増殖するほどです。

一方、原種エビネとして販売されているものは盗掘されたものが多く、扱いも悪いものが多いためご注意ください。

エビネの原種はほとんど環境省のレッドリスト掲載種です。

エビネは肥料をやりすぎると良くありません。

ジエビネ

一般にエビネと呼ばれているのはCalanthe discolorのことで、ジエビネやヤブエビネと呼ばれることもあります。

春咲きで30-40cmの花茎に多数の花を付けます。

花色は変異が多く、赤褐色から黄褐色、緑色の個体もあります。

夏は涼しく、冬は暖かい常緑樹林の中の半日陰のような環境では、よく花立ちします。

現在流通しているのは交雑品で、雑種実生なので花色、花姿が非常にばらつきます。

未選抜のものが通販で安く販売されていますし、花立ちしてから販売会でリアル販売されていることもあります。

ナツエビネ

ナツエビネ(Calanthe puberula )は渓谷の落葉樹の下などに自生しています。

ジエビネとは違い7,8月に淡い藤色の花を房状に咲かせます。

ただし高温障害に非常に弱く、花が咲く前に蕾が落ちることが多いです。

また乾燥にも非常に弱い植物ですね。

東京以西では庭植えで開花させるのは難しいでしょう。

リュウキュウエビネ

ナツエビネとは別種のリュウキュウエビネなどにツルランなどを様々に交配をして得られた夏咲きエビネが流通しています。

こちらはかなり強健で、条件がよければ自然に殖えてグラウンドカバーのようになります。

「リュウキュウエビネ」として売られているこちもありますが、たいていは交雑種のようです。

キエビネ

ジエビネよりも大型で暑さにも強く、やや寒さに弱い以外は育てやすいエビネです。

様々な交雑親に使われているようです。

春咲きですが、黄色の発色が個体や環境により大きく変化します。

ダルマエビネ

原種のヒロハノカラン(Calanthe fauriei)をダルマエビネと呼ぶことがあるようです。

性質の強いツルランに近い種類です。

ダルマエビネとして流通しているのは、おそらく交雑選抜種と思われます。

エビネの鉢植え

普通はエビネは山野草鉢などで鉢植えとして管理します。

ここから先は

1,230字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?