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日々是妄想: ファーレ立川に行ってみた。
アートトの講義で取り上げた作品と内容が気になって、立川でフィールドワークした。
行ったのは月曜日の昼過ぎ、はっきり言って立川は土地勘がなく、駅からどうやっていくのかもわかってなかった。とりあえず北口らしいと降りてはみたものの、暫し迷子状態となり結局、Googleに聞いた。
作品: 岡崎乾二郎《Mount Ida-イーデーの山(少年パリスはまだ羊飼いをしている)》
1994年設置。
2022年に地権者である百貨店のリニューアルに伴い、撤去されることが決まったがのちに撤回。今も現存している。
作品はモノレール下、百貨店の入り口横に設置されている。
何色かに塗られた金網が不思議な形状で組み合わされ、中には植栽がされており、時間経過に伴い成長している様子がわかる。見過ごすほど小さくはないが、植栽のせいで彫刻作品としては認知されない気がした。作品の前にはベンチシートが置かれ、人が作品を背にして座っていた。つまり、すぐ前に人はいてもそれを観てる人はいないことになる。ある意味で景観の中に組み込まれ意識されない存在である。
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鉄骨と金網が組み合わさっている。
作品自体のステートメントは歴史を掘り下げ、過去の彫刻を参照した内容であることは講義で良くわかり、興味深いと思った。問題はそれを意識され認知されているのかということだという気がする。
認知されていなければ、無くなったところでどれだけ惜しまれるのか。
景観の一部となってそこにあることの危うさ。人工物の宿命のようにも思えた。
作品があるモノレール下の街路はさんさんロードという、綺麗な通りになっており、植栽も手入れが行き届いてる。まるで二子玉川のようだと思って気がついた。
あー高島屋SCなぁ。立川出店に際しここをニコタマにするって話を聴いた時は無理やろと思ったけど、、、そういうことか。
戦前:立川飛行場-戦後:米軍基地-近代:砂川闘争、その歴史を上書きして見えなくすることで、違う価値観を後付けする。さんさんロードを歩いて見て、再開発の意図はわからなくもないが、歴史を見えなくすることの危うさを思った。
私たちは常に歴史の只中にいる。生まれてからずっと意識せずとも大きな流れの中で影響を受けている。それを無視する或いはなかったことにするのは、危うく愚かとしか思えないのだけれど…。
因みにファーレ立川と呼ばれるエリアには100を超える彫刻作品が展示されている。とてもじゃないが、全部を認識するのは難しい。せめて作品にQRコードでもついていればと思わなくもない。
マップは入手したけど、いちいち照らし合わせるのも微妙…
設置当初にはそれが出来なかったにせよ、メンテナンスしていく過程でどうにか出来なかったのだろうか。作品を残して後世に伝えるのであれば、どの作品にも等しくあるはずのステートメントを発信することは必要なメンテナンスと思える。ランドマークとして考えたのであれば、尚更ではなかろうか。
以下、気になった作品の写真。中にはこれって元ネタあるよね?と云うのもあれば、気づかず通り過ぎそうなものもあった。工事中の金網に囲まれた作品もあり、ちゃんと残すのか?これも気になるところである。
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そんなことを考えつつ、さんさんロード沿いのレストランで遅いランチして帰った。因みに通り沿いには清潔そうで明るいレストランやショップが並んでいる。土地のしがらみがない、移植された価値観が開放感を醸しているとも思える。
そこに住んでいない以上、どうこう云う筋合いではないけれど、過去は変えられない。土地の記憶はレイヤーになって上書きされ続ける。人の営みが続く上で変化はやむを得ない。それを知った上で、変化の早い時代における普遍的価値とは何か?
今、大事なことは過去を知ること。大きな歴史の流れとは別の、その場所が持つ記録されない物語を掘り下げることでしか、次に繋げられないものがある。やっぱり温故知新か…
高校生の頃、立川から川崎を走る南武線で通学してた。地元が南武線の沿線なのだ。立川も川崎もギャンブルが絡むことで、ガラの悪い町だった。週末の開催日ときたら…立川には基地もあったし…まあ、いっか。
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オサレなホテルもあったりした。
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デザインがオシャレ。
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