肩こりを推理(4)「人のこと恨んだことがない人が、恨みって言葉を理解できるわけないじゃん!」と、疑問を投げかけてきた20代前半の女性。
感情を封印することと骨のゆがみの関係の調査をはじめた頃、ある患者さんから、大きなヒントをいただきました。
20代前半のその女性は、頬骨に骨肉腫ができていました。
顎関節付近に強い痛みがあり、口はまっすぐに開かず、横にスライドしてしまいます。
痛みが続く日々の中で、彼女が感じる疑問があったようで、こんな質問をしてきました。
「先生、好きの反対は何だと思う?」
「好きの反対?・・・嫌い?」
「ううん、好きの反対は、好きじゃないだよ」
わたしは、嫌いと好きじゃないの違いがよく分からず、戸惑っていると、彼女は、こんなことを言いだしました。
「わたしね、好きも嫌いも受けとめられるけど、好きじゃない嫌いじゃないは耐えられない」
「どういうこと?」
「わたし、よく周りから、嫌っちゃいけないとか、恨んじゃいけないとか言われるけど、人のこと恨んだことがない人が、恨みって感情を理解できるわけないじゃん!」
確かにそうだ。恨みって、形あるものではないから、その感情を体感していなければ、恨みってことばと恨みの感情が結びつくわけないのです。
彼女はこう続けます。
「世界中に恨みってことばがあるってことは、世界中の人が恨みって感情を感じたことがあるってことでしょ?
なんでわたしだけ感じちゃだめなの?」
この質問は、後に、『感情に良いも悪いもない』という、解読アジャストメントをする上で、絶対に必要な基本の発見につながっていきます。
つづく
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