プロマイド店店員の偏愛私物コレクション|プロマイド店は毎日が恋する季節#3
夫と息子も収集癖、じゅんぷうです。
日本で唯一のプロマイド店「マルベル堂」でアルバイトを始める前から、お客としてプロマイドを買っていました。でもそれは大人になって名画座やミニシアターで60~70年代の日本映画を漁り見始めてからの話で、買っていた千葉真一さん、宍戸錠さん、川地民夫さんなどのプロマイドは、そんな古い映画の時代に撮影されたもの。現在10代~20代の昭和とかけ離れたヤングたちが80年代アイドルのプロマイドを求めて訪れるのと、時差的にはだいたい同じということになります。
今になって、80年代当時に同時代のスターのプロマイドをなぜ買わなかったのかと思うけど、思春期だったわたしは
・まっすぐカメラ目線
・指先まで抜かりないポーズ
・曇りなき順光
で撮られた、いわゆるベタな演出のプロマイドというものは何だかこっぱずかしくて手にすることはありませんでした。当時の10代にはオフショットや自然な表情を狙ったスナップのような「生写真」のほうが親近感があったのです。
だけどそんなときから何周も何周も回って、プロマイドだからこその価値や出会い、自分だけの愛で方を楽しんでいるわけです。冒頭に書いた錠さんや民夫さん以外にも、マルベル堂で働くうちに買いためてきたスターたちのプロマイドをあらためて見てみると、自分の癖というものが如実に表われていました。ごく一部のみですが貼ってみます。やっぱり王道のバストショットでカメラ目線というよりはとにかく、
癖その1|車と写っているやつ買いがち
赤が似合うヒデキさん。倉田保昭さんと赤のポルシェのも買いました。どちらもイカす…! でもね、モノクロ時代のだってクラシカルで素敵なんです。
美女と車。直視できないほど美しい志麻さん、いづみさん。
裕次郎さんのもあります。ルリ子さんのも買おうと思ってます。
ちょっと変化球。シローさんと一徳さんの脚なっが!なタイガースは新曲のキャンペーン時のものらしく、車の側面の垂れ幕に「しい」って見えるので、シローさん在籍時のシングルを調べてみたら該当するもの発見。1970年リリース「素晴らしい旅行」。ジュリーが初の作曲をしている曲です。声に出して言いたいタイトル「素晴らしい旅行」。
癖その2|ズボンのポケットに手つっこんでる男性スターの買いがち
より強い己の癖を感じるのがこれです。ときめいてしまうんです。
このポケット・タバコ・ポケット・タバコの魅惑の一連は、お気に入りポケットアルバムの中でも時々宝物を取りだしてぺろぺろする犬的な偏愛ゾーンの民夫さんと赤木圭一郎さん。
プロマイドはおいといても、考えたらほんとにそう。
ポケットに手つっこんでる人にときめきすぎる。(好きな人が手つっこんでるだけなの?)
ほら。
これもかしら…。
ほらほらほら。
とにかく昭和スターのプロマイドには王道+αのバリエーションがあり、車なら全身でスターの魅力が表現され、それ以外にもタバコ、花、楽器や本などの小道具がスターとその世界への想像力をかきたててくれるのです。
そこへくるとポケットに手、というのは、小道具なしで魅力や存在感を表現する(時に寂しさや孤高)、限られたスターにしかできない究極のポーズですね。
これからも癖を追求していきますです。