ユ・アインはショーケンか?アクセル踏んだらもう止まらない『ソウル・バイブス』
男は松田優作になりたがるが女はショーケンを放っておけないという持論のじゅんぷうです、こんにちは。
待ってました、映画『ソウル・バイブス』!
2022年Netflix独占配信予定として昨年インフォメーションがあったときはたしか『ソウル大作戦』というタイトルでした。ソウル五輪の1988年が舞台とはいえ、だいぶ古めかしい。日本だったら70年代東映アクションのノリでしょうか? それでもユ・アイン主演のカー・アクションというだけで見る気は満々でした。
ようやく配信されてさっそく見てみると、作品中で「ソウル大作戦」というワードは使われているのです。
ストーリーはいたって明快。
アメリカン・ドリームを夢見て違法の運び屋をして稼いでいた主人公たちが、犯罪歴をチャラにしてアメリカに行かせてくれるという検事との取引に応じて、前政権の巨額の裏金の運び屋となってVIPの潜入捜査をするというもの。
展開もセオリー通りといっていいほど、とくに目新しくはないしツッコミどころもいろいろあるけど、感じるべきはそこじゃなくて、バイブス感じればそれでいい。
これね、『男たちの挽歌』だったんです。
言わずと知れた香港ノワールの火付け役、ジョン・ウー監督1986年の作品。バイブス中のバイブスでしょう?
『ソウル・バイブス』でドライブや整備のテクニックのプロフェッショナルの主人公たち「パンクファミリー」の中で、ただ一人クルマともバイクとも関係ない「クラブDJ」のウサム。彼が、チーム仕事の「ここぞ」というときにBGMとしてミックスして渡してくれるテープのタイトルが毎回「ジョン・ウーミックス」。
この時点でじゅんぷうのバイブスは爆上がり。
何しろ「ジョン・ウー魂」をVHSで編集してましたからね。
ジョン・ウー演出のシンボルのひとつ、鳩も登場します。
ストーリー前半はコミカル、後半はノワール。
ノワール仕立てのいちばんの立役者といえるのが、イ室長を演じるキム・ソンギュンなんですが、80年代韓国ヤクザのルックスがまず最高。大体いつもいい人役なだけに、このサイコな役はほん怖。
検事役のオ・ジョンセも、今回は珍しく特徴的な濃いキャラではないのにアツかった。そんな役を演じられるというのがやはりオ・ジョンセです。
それとチームの頼れるヒョン、ボンナムを演じたイ・ギュヒョン。わたしにとっては永遠に『秘密の森』のユン課長ですが、彼の初登場シーンがかっこよすぎ。PSY『That That』PVのユンギの登場シーンぐらいハート掴まれました。ケミカルウォッシュのジーンズでキメキメの彼だけでなく、80年代ファッションもお楽しみ。ムン・ソリもいいパーマだなあ。
クライマックスの「ソウル大作戦」決行中のBGMが元祖「オジャパメン」でこれまたアガる⤴
ダウンタウンが「ごっつええ感じ」のエンディングで歌ってたの覚えてますか? オージャパ~パーティヌン~
IUもカバーしてたとは…!
とにかく主人公たちは、何かあっても何も変わりません。成長とか変容とか、ない。ストーリーの細かい部分や現実感のなさは目をつぶって、深く考えずに楽しめる作品。この前後の韓国の大統領ぐらいは思い出しておくとよりよいかも。
ユ・アインはというと。
ハンドルを握ったときの狂犬の目、余裕かますときのオラオラ感、そしてファミリーを思うときのナイーブさ、これってやっぱり女が惹かれるショーケン属性。また随分と体も絞りましたよね。
ユ・アインが演じるのはデイトナのレースに出ることを夢見ている、最強のドリフトテクニックを持つドンウク。彼はまさしくドリフター。
最後に、全然関係ないけど大好きなこの曲に
「男の挽歌で尻をふく奴」
という歌詞があるので貼っておきます。
あ、彼ら「Drifter」という曲もありますね。
ユ・アイン❥関連note