転職に学歴はいらない。一橋大卒 高学歴転職者の挫折と気づき
1. 転職に学歴はいらない
転職に学歴はいらない。
学生時代、書類選考で落とされるなんてあり得なかった私が、転職をする中で痛感させられたことだ。それと同時に3年も前に卒業した一橋大学という学歴に未だにすがってしまう哀れな自分の姿がそこにはあった。
2.自信満々 転職楽観期
2019年、私は3年間勤めたメーカーを転職をしようと決めた。
私は新規事業の商品企画というメーカーの中でも花形の業務に携わっていた。就活生向けの座談会を開けば私のブースだけ他のブースの3倍くらい人が集まるほど注目度も人気も高い部署だった。
実際任されている仕事は大きかったし、ラスベガスに海外出張に行った時には、毎日70ドルのステーキを奢ってもらい、100平米あるスイートルームに泊めてもらい、2、3年目の若手にしては大企業の美味しい部分をいっぱい経験させてもらっていた。
それでも会社をやめようと決めた。ここにいては10年後に飯が食えなくなる。ここにいては会社の将来も自分の将来もない。自分はもっとやれる!そんな自信だけが先走っていた。
当時、中の良い同期も何人か会社をやめていた。まずは、先駆者達に簡単に転職のフローを確認した。簡単に言えば、リクルートなり、DODAなりのエージェントと面談して条件に合う会社をだしてもらう。あとは書類を出して面接にいくだけだ。すぐに片付くと思った。
なぜなら私は頭がいいから。
私を採用しないのはもったいないとすら思っていた。いつまでもあぐらを書いていたのだ。昔取った学歴という杵柄に。
3. 初めての挫折
少し話が戻るが私が転職しようと思った理由は簡単には2つだ。まずは会社としての成長性がないと感じたから。もうひとつはスキルが身につかないと感じたからだ。会社軸、個人軸で見た時にどちらにも望みがないと考えれば外にでるしかない。
上記の理由で転職するならば、次の仕事は会社としての成長性があり、スキルが身につくところとなる。
業界としては慢性的な人手不足のIT業界に狙いを定めた。成長性が高い分野といえばプラットフォーマー(GAFA)、クラウドサービス事業者(AWS、MIcrosoft)などが浮かんだ。ちょうどその時、成毛さん(日本Microsoftの元社長)が書いたAmazonに関する本を読んでいたこともあり、優秀な人材が集まってそうだし、スキルも付きそうということでAmazonを第一志望に定めた。
ここからが暗黒期の幕開けだ。
Amazon Japan、AWSはちょうど採用を拡大しており、採用の枠がたくさんあった。Amazonは職種、部門が異なれば何回でも応募してよい。第一志望だったので、まずは入社することを重視して10部門に書類を提出した。
結果は惨憺たるものだった。Amazon、AWS併せて10部門、、、
全て書類選考落ち。面接にすら呼んでもらえなかった。
大学名、会社名を見たら面接ぐらいには呼んでくれるものだと思っていた、、、
でも、転職に学歴はいらなかった。重視するのはあくまで仕事で何をやってきたのか。それが新しい会社でどう活かせるのか。それだけだ。
当然だ。頭の中では何となく気付いていたが、ほんの少しだけ期待していた自分が真っ向から否定された。やりたい仕事を選べるなんて自由が効くのは新卒の時だけなのだ。これからはスキルのみ。学歴なんて一切関係ないのだ。3年も前に卒業した一橋大学という学歴に未だにすがってしまう哀れな自分の姿がそこにはあった。
※ちなみにAmazonだけ書きましたが、ソフトバンクとかLINEとかIT系の華やかそうなところはことごとく書類で瞬殺されています笑
4.挫折からの転職活動
ここまでの説明をみるともはやIT業界への転職など叶わないと感じる人が多いだろう。
しかし私は今IT業界で仕事をしている。
ここにたどり着いた私の軌跡を紹介しよう。
結論から言うと私のような異業種、異職種からIT業界に転職するには、コンサルタントになることが一番手っ取り早い。
コンサルタントの仕事は基本的に業界軸とソリューション軸(ITグランドデザイン策定に強い、デジタルマーケティングに強いなど)で語られることが多い。すなわちどの業界に強い人間かということと、どのようなソリューションを提供できる人間かの2種類の人間が求められる。メーカーにいた私は前者の精密機器業界に強いという業界軸があった。それだけのPRポイントでIT業界のコンサルに飛び込んだのだ。
でもこれは正直不本意であった。なぜなら私はコンサルタントになどなりたくなかったからだ笑
コンサルタント=激務というイメージの人も多いと思う。当時の私もまったく同じ認識で大学からアクセンチュアやデロイト、まして戦略コンサル(マッキンゼー、ボスコン)にいってるやつなんて眠っていないことが自慢の超絶ハードワーカーばかりだった。(眠っていない自慢なんて大学生から何も変わっていないではないか!笑)
そんな働きかたなんてしたくないと思っていたからコンサル業界には手を出してこなかった。(GAFAにいっても忙しかったとは思うが、なんとなくコンサルは嫌だった笑)
でももうその時には後に引けなくなっていた。あと5年また別のメーカで働けば、なおのことキャリアは狭くなる。コンサルという職種で、IT業界にも関わり、そこで3年ぐらい頑張ればキャリアの幅も広がるはずだ。そう自分に言い聞かせ、IT系のコンサルを受け始めた。
いわゆるIT系のコンサルに分類されるアクセンチュア、Abeam、IBMなどを受け始めた(デロイト、PWCとかも当然受けている)。やはりコンサルという職種であれば面接までたどり着くことができた。逆に言えば他の職種ではまったくダメだった。コンサルは人が足りていないから受け皿が広いのだ。しかもどの業界からもチャレンジできる!笑
まったくコンサルの仕事が何かわかっていないながら、最終的にはITコンサルタントの仕事に無事に就くことができた。
5.転職後から今まで
やはりコンサルはハードワークだ。今月も80時間残業ペース。それでもメキメキと力がついていると実感できる。(そう思わないとやってられない笑)この業界に入って1年だが、今では10発書類だしても見向きもされなかったAmazon、AWSから面接のオファーが届くようにまでなった。
やはりIT業界に移ったことは間違いではなかった。
コロナの影響もあって、IT業界の需要は高い。
周りの人もどんどん引き抜かれてやめていく。転職先の業界も様々。年収も500万アップとかしている。メーカーにいた時には考えられなかった変化だ。
ITという業界とそこで身につけたスキルが高い価値を生んでいる。
転職に学歴はいらない。
必要なのは伸び代のある業界にいることととそこで身につけたスキルなのだ。
いい大学を出た人ほど、社会に出た途端に日本の年功序列型の会社システムの中でよりどころを失い学歴にしがみつく。でも学歴など卒業してしまえば過去の栄光だ。
過去にすがるのはださい。いつまでも今を誇れるような自分でありたいと思う。
かく言う私もタイトルにやたらと一橋とつけて過去の栄光にすがっている。浅ましいが仕方ない。今の自分を誇れるようになるまで、しばしこの肩書に頼ろう・・・
潤吉