【147.水曜映画れびゅ~】"La sociedad de la nieve”~アンデスの奇蹟~
"La sociedad de la nieve”は、昨年からNetflixから配信されているスペイン製作の映画。
今年の米アカデミー賞にて、国際長編映画賞などにノミネートされていた作品です。
㊗ アカデミー賞 ノミネート!!
あらすじ
墜落
ウルグアイの大学ラグビーチームは、遠征のために飛行機をチャターして、チリへ向かった。チームとその家族も乗せ、乗員乗客45人だった。
飛行機は、アンデス山脈で墜落した。
墜落の衝撃からの生存者はいたが、そんな彼ら・彼女らを待っていたのは、雪一面の過酷な環境だった。
助けが来ると信じて、待った。わずかな食糧を分け合い、傷を手当てし合い、「助けはきっとくる」と励まし合った。しかし、助けは来なかった…。
それでも、彼らは生きることを諦めはしなかった。
アンデスの奇蹟
1972年10月13日、アンデス山脈に飛行機が墜落。その後72日間を生き延び、16人が生還しました。これは”アンデスの奇蹟”と語り継がれています。
それを『インポッシブル』(2012)で知られるJ・A・バヨナ監督の下で映画化。雪山での壮絶なサバイバルを映像化するために、Netflixの協力で様々な趣向が凝らされました。
シエラ・ネバダ山脈
雪山の映像は、CGを用いたスタジオでの撮影とともに、スペインのシエラ・ネバダ山脈で撮影が行われました。
雪の積もる極寒の地での撮影は、過酷を極めたとのことです。特に、救助隊を探すためにチリへと向かう山越えのシーンでは、専門家を含めた特別な撮影隊を作り、実際に山登りを行いました。
プロダクション・デザインとCG
そしてサバイバルの本拠地となる飛行機は、様々な形態のもので複数機が用意されました。
墜落前、墜落後、雪崩に襲われた後…。外装、内装、それぞれの状況に合わせた美術を施しています。
そんな美術に加えて、視覚効果がリアリティを演出。特にスタジオで撮影された墜落のシーンなどは、実際に機内の座席を墜落時のように可動するように細工をしていたようで、凄まじい映像となっています。
新人俳優たちの絆
本作のメインキャラクターは、事実に基づき、ほとんどが大学生となっています。
それらを演じる俳優陣は、オーディションにより決定されました。これはバヨナ監督たっての希望であり、経験値よりも、実際の生存者に外見、そして何より人間性が似ていることに比重を置いて選ばれました。
そんな俳優陣のほとんどが、映画出演の経験皆無でした。そんな彼らは、サバイバル生活という設定上で、撮影と並行して減量も行いました。そんな厳しい撮影環境で寝食を共にした彼らには、かけがえのない絆が生まれていました。
・・・
このように、Netflixの下で物凄い規模感で再現された本作を観た実際の生存者たちは、「自分たちの経験がそのままスクリーンに映し出されていた」と語りました。
メイキング映像『雪山の絆: 僕らは何者だったのか』
ということで、今回はNetflix映画『雪山の絆』を紹介させていただきました。
今回の記事を書くにあたり、本作のメイキング映像『雪山の絆: 僕らは何者だったのか』を参照しましたので、そちらもこちらに貼りつけておきます。Netflix加入の方は日本語字幕付きで見れますが、YouTube上に投稿されている動画は英語字幕のみです。
そして冒頭でも触れましたが、第96回米アカデミー賞にてメイクアップ&ヘアスタイリング賞・国際長編映画賞にノミネートされていました。受賞とはなりませんでしたが、外国語映画で2部門にノミネートされたのは偉業です。また他にも、撮影賞や視覚効果賞、美術賞にもノミネートされてよさそうなほどのクオリティの作品でしたね。
前回記事と、次回記事
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次回の更新では、ザック・エフロン主演の実話を基にした衝撃作"The Iron Claw"を紹介します。
お楽しみに!