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"主演男優賞"編:第95回 米アカデミー賞 大予想!!
3月13日(日本時間)に行われる米アカデミー賞。
最高峰の映画の祭典の開催まで、残り5日!
そんななかで今回は、オスカー主要6部門の中の一つである主演男優賞の予想をしたいと思います!
各部門のノミネーション一覧はこちら。
本命:ブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』)
本命は、4月に日本公開される『ザ・ホエール』よりブレンダン・フレイザー。
体重272kgの余命わずかの男性が、疎遠だった娘と絆を取り戻そうとする物語。
体重増量で激変した容姿にもびっくりですが、心揺さぶる演技に対しても絶賛の声が相次いでいます。
ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞などに軒並みノミネートされ、アカデミー賞前哨戦の本命と言われる全米映画俳優組合賞を受賞。
私生活で色々あったことで一時は鬱状態に悩まされたフレイザーですが、今作で見事復活したその雄姿にアカデミー賞初ノミネート初受賞の期待がかかります。
対抗:コリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)
続いては私のイチオシ!
『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルです!
演じたのは、親友のコルムから突然に絶交を告げられ 途方に暮れる心優しい男パードリック。
最初から最後まで一貫した困り顔。しかしその表情のなかで たまに感情の揺らめきが見え隠れするのは、圧巻の演技力でした。
かつてスキャンダルに塗れ、ハリウッドから事実上追放されながらも、近年再評価の声が高まる"クセ強"俳優がアカデミー初ノミネート。
集大成としてのオスカー像の獲得が期待されます。
単穴: オースティン・バトラー(『エルヴィス』)
『エルヴィス』よりオースティン・バトラーが初ノミネート!
”伝説のロックンローラー” エルヴィス・プレスリー。
そのデビューから晩年までの生涯を一人で演じきったバトラー。
エルヴィスのクセのあるこもり声と華麗な足さばきの完コピに魅了されるとともに、物語後半では、対照的に激太りして没落した容姿へと変貌しました。
完コピ演技や肉体改造など、オスカー会員が好きそうな要素が詰め込まれた役柄。前哨戦でも善戦しており、かなり有力とされています。
穴: ビル・ナイ(『生きる LIVING』)
黒澤明監督の名作『生きる』(1952)を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロ脚本で再映画化した『生きる LIVING』より、ビル・ナイがノミネーション獲得。
余命を知り、人生の尊さに気づいた老紳士を演じたビル・ナイ。
「ビル・ナイなくして今作は作り得なかった」といえる程、称賛の声が上がっています。
『ラブ・アクチュアリー』(2003)などで知られるベテラン俳優も、今回が初ノミネーションとなっています。
大穴:ポール・メスカル(『aftersun/アフターサン』)
※日本語字幕のないトレーラーです。
日本では5月公開で、今季の賞レースにて新人賞を総ナメにしているフランキー・コリオ初の長編監督作品『aftersun/アフターサン』より、ポール・メスカル。
描かれるのは、とある夏休みを過ごす父と娘。
静かな雰囲気の中で紡がれるヒューマンドラマのようです。
ビル・ナイとは対照的に、若干27歳にてオスカー初ノミネーション獲得となったメスカル。ダークホースとしてワンチャンあるかも…。
前哨戦の結果
●ゴールデングローブ賞
⇒ドラマ部門
オースティン・バトラー
『エルヴィス』
⇒ミュージカル・コメディ部門
コリン・ファレル
『イニシェリン島の精霊』
●全米映画俳優組合賞(SAG Awards)
ブレンダン・フレイザー
『ザ・ホエール』
●英国アカデミー賞(BAFTA)
オースティン・バトラー
『エルヴィス』
前哨戦では、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)に加え、英国アカデミー賞を受賞したオースティン・バトラーが頭一つ抜けているような印象ですが、全員初ノミネーションということもあり、正直今回は例年よりも混戦の模様となっています。
確かに派手さで言えば圧倒的にオースティン・バトラーですが、早々一筋縄ではいかないのがオスカー。ブレンダン・フレイザーとコリン・ファレルも負けておらず、この三つ巴がどう決着するのか、楽しみです。
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