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突き指

小・中・高校生のジュニアバレーボールのケガの中で、最も多いとされているのが突き指で、トレーナー活動時には数えきれないくらい突き指の選手をみてきました。

バレーボール動作の中での突き指は、主にオーバーハンドパス、ブロック、レシーブの際に床に手を衝いた時に起きることが多くあります。

では、根本的に突き指とは一体なんでしょうか❓

< 突き指 >
ボールを指で受けて起きるケガをまとめて突き指といい、骨折、脱臼、捻挫、腱損傷などの様々なケガとなる

公益財団法人 日本バレーボール協会 コーチングバレーボール基礎編(大修館書店)


というのが定義になります。

骨折、脱臼、捻挫、腱損傷などとありますが、まずは突き指の内容に入る前に、骨折、脱臼、捻挫、腱損傷について解説させて頂きます。


骨折とは、読んで字のごとく骨が折れることですが、大きく完全骨折不全骨折(不完全骨折)に分類されます。

< 完全骨折 >
骨と骨同士が完全に分かれて断裂しまっている状態(一般的な骨折)

< 不全骨折(不完全骨折) >
骨が完全に断裂しておらず、部分的につながっている骨折
例.いわゆる「骨にヒビが入った」状態


脱臼とは、骨と骨で形成されている関節が関節包(関節を包んでいる袋)を破り完全にズレることで、ちなみに亜脱臼とは、関節の骨が部分的にズレていることです。


捻挫とは、関節を構成している組織を捻ってしまうことで、一般的には靭帯・関節包の損傷をいいます。

捻挫には、損傷程度の分類というものがあり、以下を参照ください。

< 捻挫の損傷程度の分類 >

Ⅰ度(軽症): 靭帯の小さな損傷で、痛み、腫れは少なく、圧痛、機能障害(指の動作痛)も軽く、関節の不安定性はない

Ⅱ度(中等症): 靭帯の部分断裂であり、関節の不安定性が軽度から中等度にみられ、機能障害もある

Ⅲ度(重症): 靭帯の完全断裂であり、関節の不安定性が完全に認められ、機能障害もひどく認められる

※ 靭帯の完全断裂が発生すれば、おのずと脱臼にいたることもある


腱は、筋肉の両端にある骨に付着する部分の組織で、筋肉の収縮力を骨に効率よく伝える役割があり、そこが傷つくと腱損傷になります。


これらは基本的なことですので、是非知っておいてください。

この中で、突き指で最も多いのは捻挫になります。

後半は、手指の構造、突き指の各疾患、症状、対処法、施術、予防法を私のトレーナーでの経験を交えながら解説していきます。


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