
📽️『フリーダ』
映像・音楽がすさまじい勢いで迫ってくる。それでいて非常に絵画的。緊張と緩和、耳をつんざくメキシコ音楽のリズムと突如訪れる静寂。
2時間で全生涯を語るのは、途方もない試みであり、ともすれば事実が歪曲されてしまったり、25年という年月を描ききるが為に希釈された液体のようになってしまう危惧がありそうだが、本編は圧倒的な迫力と共に25年の生涯を、あたかも自分がフリーダの身内であったかのような臨場感で追体験させる。
夫であり画家でもあるディエゴとの関係は、愛情という言葉では余りに単純に過ぎる気がするが、そこには紛れもない愛と情が色濃く存在している。
構想及び準備に8年を費やしたというサルマ・ハエックだからこそ成し得た偉業ではないだろうか。(2004.2)