古代の薩摩940年 #39

第二部 弥生時代 市松の宣言=戸籍作成
突然で驚いている事だろうけど、幸吉や桑立さんや家づくりや土木の専門家を総動員して突貫工事でここ鹿児島の町を作り上げた。今後はここを薩摩の国の中心にしたい。今日みんなに集まってもらったのは薩摩の国の形が整い、米の収穫も軌道に乗ってきた今、さらに一歩前に進むには、是非とも戸籍が必要になってきたからだ。帰化してくれた秦人はお分かりの通り、かの国では全国民を把握して、租税を徴収している。どこに誰が住んでいるかを記録している。薩摩はもちろん税を徴収する必要はないが、これから、山や森、荒れ地を開拓し、果物を植えたり、鉱石をほったり、大陸と交易、水田を増やすなどやりたいことがたくさんある。帰化する人もどんどん受け入れたい。そこで戸籍だが、我々倭国には苗字(姓)という発想がない。そこで今の家族ごとに新しく作ってもらいたい。例えば史進は元々姓は「林(りん)」だ。秦国では林史進と名乗ってきた。だから茜は今後は林茜となる。長女は林菫(すみれ)、長男は林進(すすむ)。今のところはこれが林一家だ。私は妻の蘭の姓をもらって李市松と名乗る。それぞれの村に帰ったら、全員に伝えてくれ。いい姓が浮かばない時は孟達先生に相談すると良い。みんなもだいぶ文字を覚えたと思う。そうそう大陸では秦が滅んだ後、戦乱が続いていたが、新しく「漢」という国ができ、人心が安定してきたそうだ。そこで我々は今使っている文字をこれからは「漢字」と呼ぶことにしたい。次回10日後の集まりには全員の名簿を持ってきてほしい。今から木簡(木を薄く削り札にしたもの)を渡す。ここ鹿児島では竹簡に書き写し大事に保管する。
以上。

この物語は、薩摩の古代の歴史をドキュメンタリー風にしてみました。
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いつか映像にしてくださる方がいると嬉しいです。 吉峯盾

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