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河合雅雄「子どもと自然」
現代は家庭までもが人工化されている。それまで家庭について敢えて定義する必要はなかった。祖父母に親戚、近所の人たち。家庭は幅広く、曖昧なものだった。ところが現代では、都市の中の核家族という閉鎖された形に収まっている。家庭は小さくなり、内外を隔てる明確な境界線が引かれた。分散していた負担が家族内に凝固した。それでも、父親は仕事という社会的傾向は以前解消されない。すると当然子どもの面倒を見るのは母親と
もっとみる現代は家庭までもが人工化されている。それまで家庭について敢えて定義する必要はなかった。祖父母に親戚、近所の人たち。家庭は幅広く、曖昧なものだった。ところが現代では、都市の中の核家族という閉鎖された形に収まっている。家庭は小さくなり、内外を隔てる明確な境界線が引かれた。分散していた負担が家族内に凝固した。それでも、父親は仕事という社会的傾向は以前解消されない。すると当然子どもの面倒を見るのは母親と
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