(おすすめ)ビジネスも恋愛も,人に好意を持ってもらうことからスタート〜影響力の武器/ロバート・B・チャルディー二
若い頃は、脳のリソースの大半を女の子にモテることに費やしてきました。
こじゃれた服をかったり、ちょっとした心理学の本を読んでみたり、合コンに行ってみたり。
結婚し、子供も生まれ、そういった欲求からはだいぶ自由(?)になった気がしますが、男女限らず、社会人生活を円滑に、かつ楽しく送るためには良好な人間関係の構築が欠かせません。
じゃあ、どうやって良好な人間関係を築くか?
そういったセオリーやメソッドというのは、多くの人が小さい頃からの経験、周囲の観察からなんとなく身につけてるものと思います。
自分の気持ちを正直に伝えすぎると傷つくひとがいるんだなー、とか、こういうことを人に言ってもらえると嬉しいんだなーとか。
それらが積み重なり、今、周囲の人と関わるときにどんな振る舞いをするかというのが形成されているかと。
本書は、そういった経験則があやまっていれば正してくれ、もし不足していれば追加してくれる、いわば好意をもってもらうための羅針盤を授けてくれる一冊。
大学教授が執筆しているだけあって、これでもかというくらいエビデンスもあり、納得感も高いです。
こう言った、「原則」を示してくれる本はありがたいですね。
以下、概要と具体的対策いついて簡単に記します。
「好意」が生まれるメカニズム
自分が好きな人を想起した時に、「なぜ好きになったのか」はなかなか言語化できないと思います。
本書では、その言語化をしてくれてます。ありがたや。
早速の結論になりますが、好意に影響する要因は以下の5つ。
身体的魅力: 外見的な魅力が第一印象に大きく影響する
類似性: 共通点を見つけることで親近感が生まれる
称賛: 相手を褒めることで好意を得る
接触: 頻繁に顔を合わせることで親近感が増す
連合: 楽しい状況で出会うことで、その人物に好印象を持つ
称賛、接触、連合については文字面から想像できるかと思いますので、身体的魅力と類似性について、実際の応用を考えてみましょう。
身体的魅力
かっこいい人、美人な人が好意を持たれやすいことは言わずもがなかと。
ハロー効果という心理学的な効果も確認されており、外見が魅力的な人は、他の能力も高いと評価されやすい傾向にあるそうです。
ここまでの話だと、そんなの知っとるわ、想像できるわ!というツッコミで終わりそうですが・・。
我々が想像する以上に身体的な魅力は好意に影響しているそうです。
選挙であったり、有罪判決を受ける率など、客観的に(容姿ではなく)判断されるべき事象であったも、容姿端麗の人が優位であることは数字からも確認されている、とのこと。
じゃあブサイクはどうしたらいいねん!整形手術でもしろっていうんか!というお怒りの声が聞こえてきそうです(注:自分含)・・w
もちろん、誰もがディカプリオの顔になれる(古いか)わけではないですが、以下のことくらいであれば、対策がとれそうですね。
身だしなみを整える: 服装、髪型、清潔感など
笑顔を見せる: 第一印象を良くする効果
姿勢を正す: 自信に繋がり、魅力的に見える
当たり前のことっちゃ当たり前ですが、こう言った些細な行いも好意獲得に大きい影響を与えることを知ると、ちゃんとした生活を送らねばなーと再認識させられます。
コミュニケーション時の戦略:類似性
よほど愛し合っている一部のカップルを除き、見つめ合うだけで時間を過ごすことはほぼないでしょう。
自分レベルの外見の人が見知らぬ人を見つめ続けていた場合、逮捕される可能性が大変高いです。
冗談はさておき、大半の人は言語を使ってコミュニケーションを取ろうとします。
雑談する時、ネタに悩むケースってありますよね。
天気の話とか、気温の話から切り出すなんてことが多いような気もします。
でも、本書はありがたいことに、好意獲得のために何に気をつけてコミュニケーションを取ればよいか?というのにも補助線を提示してくれています。
章タイトルの通り、類似性、です。
見知らぬ人と喋っていたら地元が同じで一気に仲良くなった、なんて経験をお持ちのかたも少なくないかと思います。
実はこの類似性も、自分たちが考えているよりも幅広く、名前の響きが似ている、と言った程度でも良いそう。
なので、好意を持ってもらうためのコミュニケーション戦略としては、いろいろと質問を重ね、自分と共通点を見出せるものを探り、それについて深掘り共通点を多く見つけていく、ということが言えるかと。
ビジネス本ですが、恋愛でもお見合いでも営業でも、幅広く使えそうな知識ですね。
名著と言われるだけある一冊です。