アディダスの超高級ランニングシューズがもたらすであろう影響について思うこと
箱根駅伝。
毎年の年始の風物詩となっており、ご覧になられた方も多いのでは?
ご多分にもれず、自分も見ました。
今年はご多分にもれず、自分も見ました。
今年は序盤こそ少しつまづいたものの、往路で先頭となった青山学院が、そのまま安定の地力を発揮しゴールすると言う結末を迎えました。
にしても、原監督になってからの青山が学院の強さはなんなのか・・・。
自分も幼い頃の記憶を辿ると、駒沢大学や順天堂大学の優勝シーンは思い出せるものの、これほどまでに長きにわたり優勝し続ける、そして各区間で区間新記録を出し続ける今の青山学院ほど安定して高レベルの結果を出し続けている大学は前例がないかと思います。
他のスポーツと比べて、駅伝は
・参加する人数が多い
・一人でも大きく崩れると挽回が難しい
・それぞれの区間に特徴があり、当日の選手のコンディションを見つつ適材適所の配置が必要
という難しさがあります。
引いてみると、組織のあり方にも通ずる部分がありますね。
一人の圧倒的な力の選手がいればなんとかなる、という個人競技とはまた別な難しさがあります。
選手個々人のヒストリーも興味深いところですが、実は道具、駅伝でいうとシューズに着目して見ても結構面白いです。
従来、競技で陸上をやっている人はソールの薄い靴が主流でした。
記事を見ますと、2017年頃から厚底シューズが出てきたようです。
で、昨年は、ナイキの出した厚底シューズが駅伝界を席巻しました。
今年はadidasの厚底シューズの使用者が多かったそう。驚いたことに、その値段、なんと8万超え!
NIKEの厚底シューズが3万以上して高いな〜と思ってましたが、それの倍以上です。
もちろん、一定のルールの中で各社が競い合うようにより良いシューズが作られていくのは健全な動きですし、それにより選手が良いパフォーマンスを発揮できるのであれば、それに越したことはありません。
実際、マラソンの世界記録や駅伝の区間記録も年を追うごとに更新されてますが、選手の競技力だけでなく、道具の性能向上による部分もあるかと。
ただ、個人的に今回のadidasの8万超えシューズは「やりすぎ」な印象をうけました。
選手の立場からすれば、良い道具を使って1秒でもよい記録を狙いたい気持ちは理解できます。
しかし、これほどの値段になってくると流石に買える層と買えない層に分断される気がします。
こういった分断が、果たして競技人口の増加やランニング界の発展に寄与するのかは疑問です。
ランニングの良さの一つは、シューズさえあれは誰でも、いつでも、どこでも始められることだと自分は認識しています。
実際、自分も新入社員として入社した最初の赴任地が山奥でジムも何もなく、手軽に始められる運動はないかということで行き着いたのがランニングでした。
恐らく、各メーカーはこれからも低価格帯のものと、トップアスリート向けの高級シューズを供給し続けるのでしょうが、8万円という運動靴では想像もできなかった値段が報道され多くの人に認知されることは、もしこれからランニングをやろうかと考えていたり、朧げながら思っている人がいたとしたら、取り掛かりのハードルをあげてしまうような気がします。(それは、運動靴メーカーのコンロロールできる範疇ではないかもしれませんが)
今後、ランニングシューズ業界はどうなっていくのか。
気になるところですね。