エンゲージメント向上のための第一歩〜否定しない習慣/林健太郎
ワークエンゲージメント
最近、会社で和ークエンゲージメントなる言葉をよく耳にするようになりました。エンゲージメントを辞書で引くと、
という記述が出てきます。それにワーク、という単語がくっついたものなので、会社への愛着や思い入れのようなイメージでしょうか。
昨今は多くの企業で若者の離職が多いらしく、その防止の一環として、社員のワークエンゲージメントを高めようという取り組みをなされている企業も少なくないかと思います。
愛着があれば簡単に離職しなさそうなのは、すんなり理解できます。
ただ、この漠然とした「ワークエンゲージメント」なるものを高めようとすると事は少し難しくなります。
自分たちの身に置き換えてみても、子供への愛着を高めましょうと言われたところで「一体どうすればええんや」となるのと同じように、離職率を低下させるためにワークエンゲージメントを高めようとしても、要素が多く、一筋縄では行かなそうです。
知人の離職
最近、自分の後輩が数名、立て続けに会社を離れました。
離職理由は、表面上
・やりたいことがある
・彼女と一緒に住むために
といったことを語っていました。
彼ら(全員男性)の人生ですから、自分たちの望む道を選ぶことが第一だとは思うものの、組織を運営するサイドからすると、次々とやめられてしまうと組織自体が成立しなくなる恐れもあるため、理由を分析し、対策を打ちたいところ。
でも、厄介なのは就職時の志望動機と同様、いくらでもカッコつけられるし、それっぽい理由を挙げるのは簡単、ということ。
どうやら、その辞めた後輩に近しい方からよく話を聞くと、本当は仕事が大変で、もう限界が来ていたので我慢できなくてやめたというのが本音だそう。
仮に自分が会社に鬱憤が溜まって辞めるとしても、立つ鳥跡を濁さずと言いますか、恐らくその会社で勤務している人には本当のことは言わず、それっぽい理由を捏造すると思います。
やめる本当の理由はほぼ知り得ないけど、離職されては困るので対策を打たないといけない。
多くの会社の人事担当者は多かれ少なかれ、似たような事情を抱えているものと推測します。
対策の第一歩
組織的には、待遇を改善したり、福利厚生を充実させたり。また、本人の希望になるべく沿う形での異動など、システマチックにできることは山ほどあるかと思っています。
他方、人間関係というのも一つ大きな要素かと思っています。
中学高校時代の部活を思い出してみると、「練習は大変だったけど、仲間がいたから頑張れた」。そんな経験をされた方も少なくないかと。
集団という意味からすると、会社の部署も部活も似たような部分があり、「この仲間たちとだったら、多少忙しかったり難しい仕事でも頑張ろう」と思える関係性が築ければ、エンゲージメントの向上、ひいては離職率の低下につながるのではないかと思っています。
そんなことを考えている時に本書をAudibleで聞き、そんな関係性の構築には、まずは否定しないことが第一歩と感じました。
話しかけられた時に手を止めないのも否定の一種という気づき
いや、違う、そうじゃなくて。
働いていると、多くの否定語を耳にします。
話して側からすると、気分良くないですよね。
本書では、もちろんそういった言葉を使用することを厳禁としています。
ただ、本書で得た個人的に一番大きな気づきは、「話しかけられた時に手を止めない、相手を見ないということも広義の否定」ということでした。
お恥ずかしながら、自分、これ時々やってしまいます。。。
忙しい時は特に。
思い返してみると、自分と同様に、話し方ときに手を止めてくれない上司に当たったことがあり、話しかけてからこちらを向いてくれるまでの気まずさを何度も経験していたにも関わらず、忘れてしまっていました。
言語として否定しないことはもちろんですが、態度も含め、相手を受容するという意識を持たねばいけない。
そう思った読書体験でした。
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