(本)現代文キーワード読解[改訂版] 〜コスパがエグい〜
自分が高校に入学した時には、教科書と一緒に辞書の購入も指示されてました。
国語辞典に漢字辞典、英和に和英(ジーニアス)に古語の辞典、紙袋にたくさん詰め込んで持ち帰った記憶があります。
今、会社の若手(20代)の方と話をしてると、電子辞書でしたよ〜なんて声も聞かれ、時代の変遷を感じずにはいられません。あんな鈍器みたいな辞書を持ち歩いていたとは・・・筋トレと精神修行にはなっていたかもですが。
「ゆる言語学ラジオ」というpodcast番組が面白く、最近よく聴いています。
それが端緒になったのかは自分でもよくわかっていないのですが、最近、言葉の面白さに惹かれている自分がおります。
で、本当に自分は言葉のことを理解しているのか?なんとなく適当に文脈に合わせて使ってはいないか?という部分にいささかの疑問があり、高校の現代文向けの単語集を使って、自分のボキャブラリーの確認と増強を図っているところです。
以前のエントリーでも紹介しましたが、大学受験参考書のコスパたるやとんでもないことになっています(価格破壊)
お勧めしたい1冊が本書。
小型ですが、約360ページに単語の意味、用例、コラム、問題などがコンパクトに収められており、効率的に学べる工夫が随所に見られます。
しかも、解説も(高校生向け、ということもあるでしょうが)社会人の自分としてはすごく分かりやすい。
さて、いくらか?・・・
990円。
このクオリティとボリュームで千円しないって、Z会さん大丈夫すかっていう感じです・・・笑 佐藤優さんも、高校生向けの教科書・参考書を社会人の勉強用として推薦していましたが、腑におちまくりな提言です。
テーマごとに章を分け、それぞれに頻出キーワードが解説付きで掲載されています。
・パトス
・ドグマ
・エスニシティ
・クレオール
・ロゴス
・アンビバレンス
・ポストモダン
時々新聞で見るような、なんとなくわかるけど・・・という単語のおさらいにも良いかと。
アンビバレンス、なんて歌のタイトルにもなっていましたね。きちんとした定義を押さえておくと、歌詞の意味するところ、PVで表現しているものがより解像度高く理解できるかと思います
本書のコラムにも、興味深いものがあったので一つご紹介。
「木」という単語しか知らなければ、我々は森を見ていろんな種類の木があったとしても、「たくさんの木」としか認識できない。
で、「松」「杉」「ブナ」など、いろんな種類の木を知っていたら、その森はもっと色鮮やかに見える。
で、同じようなことって人間関係だって、自分の内面(感情)にだって言えますよね。ムカつく!という単語しかなければ、怒られても、犬のフンを踏んでも、コーヒーをこぼされても「ムカつく!」にしかならない。
人生でボキャブラリーを増やすことのメリットって、ただ物知りになって頭が良く見える、とかいったそんな次元のことではなく、もっと自分本位の「自分の身の回りの解像度が上がる」ことにつながるのかもしれませんね。
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