新卒カードをどブラック企業に捨てた話(前編)
新卒の皆様、入社してから一週間大変お疲れ様でした。
私から、新卒の皆様にメッセージです。
「新卒は人生に一度きり。大切にしてくださいね。」
このメッセージは、
新卒をドブに捨ててしまった人生の先輩からの切なるお願いです。
毎年、この時期になると思い出すことがあります。
ピカピカのリクルートスーツに見を包み、
今日から新社会人だと心躍らせた春の日…。
・地獄の始まり
新人誰もが通るであろう新人研修。
Theブラック企業なやり方だった。
まず、部屋の規模に全く合っていないデカすぎるボリュームで挨拶することを求められた。
「声が小さァァい!!!そんなんで社会人が務まるとでも思ってるの?」
厚化粧のハイヒール講師からの質問に対して、
一秒以内にバカでかいボリュームで回答しないと社会人失格と罵倒された。
研修と称して謎の寺に連れて行かれて謎の田植えをさせられたし、謎の庭造りもした。
しかし研修の最終日、厚化粧ハイヒール講師は涙を流しながら
「ゥッ、あなたたち、この短い間でたくさん成長したわね…ゥッ、これからも、ゥッ頑張るのよ…!」と言った。
つられて涙を流す同期もいた。
(私は泣いていません!!)
今思えば、この時点でありえない話だが、
なぜその時点で辞退しなかったかと言うと、
私は一時期演劇界におり、でかい声を出したり、
稽古場で意味不明な出来事が発生することに慣れていたから、あまり苦痛に思わなかったのである。
・内定が取れた日
そもそもスタートが遅かった…。
大学4年の9月。
それが私の就活のスタートだった。
周囲にはとっくに内定をもらって最後の大学生活を謳歌している人もたくさんいた。
不慣れな手付きでリクナビをいじる。
そこへ、
『初任給30万円』
このワードが踊っていた。
当時の初任給は大卒の銀行員でも22万円程度。
特にお金に執着はなかったけれど、
高いに越したことはないか。くらいの気持ちで受けたのがキッカケだった。
当時演劇界にいた私にとって、
自己PRをするのはたやすいことで、
インパクトのある言葉を放ったり、
人前で話をしたりすることは朝飯前。
他の就活生と差をつけることができました。
そのせいあってか、面接したその日に電話がかかってきた。
「内定です」
え。こんなに早く決まるもの?!
しかもまだ就活を始めて一社目なんですが!
が、第一の感想。
なんなら3年生のころにきちんと就活を始めても、何百社と受けても内定が取れない、そんな就職氷河期のことでした。
今思えば…そのスピードで決めてしまう企業は人の入れ替わりが激しい会社の象徴なんですけどね。
しかし、演劇界で芽が出ずに嫌になって辞めた私からしたら、
「必要としてくれている場所があるんだ」
と、強く思いました。嬉しかったです。
頑張っても頑張っても芽が出ない。
頑張らなくても運の良さでスポットライトを浴びたりする、そんな演劇界が嫌でした。
頑張れば頑張るほど、
チケットノルマがかさんでいき、
お金が無くなっていく演劇界が嫌でした。
1円も給与なんて発生しないし、
1円も交通費なんて出ないのに、
無駄に駅から遠いところで毎日毎日公演期間まで稽古で、
おまけにみんな貧乏なくせに稽古の後に朝まで飲んでタバコを吸う。
そんな演劇界が、大嫌いでした。
一社目の面接で受かったことで、
演劇界の人たちを見返したような、そんな気持ちになれたのです。
それが、地獄の始まりとも知らずに。
・鬼は徐々に化けの皮を剥がす
配属されてすぐに外回り。
上司もなんでも相談に乗ってくれました。
…はじめは。
1週間過ぎた頃から
語尾が強くなり、
2週間過ぎた頃には、
語尾が巻き舌になり、
一ヶ月過ぎた頃には、
話し言葉が常に罵声になっていました。
「死ぬのかよ??(結果)出すのかよ?!?!」
死ぬか、結果出すか二択。
さらに、「バック」と言って
外回りから帰ってきてねという電話があったのですが、
初日は18時
1週間したら20時
2週間したら21時
1ケ月後…22時。
それ以降…23時~終電の時間に間に合う程度のギリギリの時間。
それまで、ずっと個人宅の訪問営業でインターホンを鳴らすという仕事をしていました。
女性一人で個人宅のインターホンを押すことは、20時以降は大変気が引けるものでした。
・次の休みは20日後
最初は水曜日が固定で休みと言われていました。週に2回の休みのうち、もう一日はなんと…
“実績が出た場合は休み。そうでない場合は出社”
でした…。
最初はそれですらなんとか、実績を出そうと頑張ろうと思いましたが、なかなか成果は出せません。
すると…
固定だった水曜日の休みもなしになりました。
そうつまり、週に休みは0回です!!!
昼休みに公園で居眠りをしてなんとか体力を回復させていました。
…なんとか。
夜、家に帰ってきたらシャワーを浴びて眠るだけ。
この辺から、疲れ切っているせいか何を食べても美味しいと感じられなくなりました。
そしてついに、実績を上げていない社員にも、休みが与えられることになりました。
…火曜日の、23時に。
死んだ目で明日も仕事なんだと身体に鞭打ちやってるのに、
23時の時点で「明日お休みですよ。」
と言われましても…。
おまけにその23時のあと、いつものパワハラ上司から
「明日は休みなんだから、お前らわかってるよな???」
と言われ、夜中の3時まで新宿のカラオケで飲まされ歌わされ。
20日ぶりの休みは、死んだように寝るしかありませんでした。
なんなら、
そのまま永眠したかった。
それくらいに心身ともに疲れ切っていました。
なぜその時点で退職しなかったかと言うと、
私は一時期演劇界におり、それ自体に慣れていたから、あまり苦痛に思わなかったのである。(2回目。笑)
そして何より怖いのは…
「石の上にも3年」理論をしつこいくらいに刷り込まれていたからです。
「新卒一年目で辞めたら、根性ないと思われて、どこにも雇ってもらえねーぞ!」
「新卒一年目で辞めたら、どこ行っても弱音吐いて辞める人間になるかんな!」
「新卒一年目で辞めるとか、そこらへんのアルバイト以下。
いや学生のアルバイトでも3年以上続けてる奴いるのに。新卒一年目で辞めるとか、ゴミクズ。」
そう私は、
私は完全に洗脳されていたのです。
その頃の私は自己肯定感が低く、
洗脳されやすい人間でした。
…と、長くなってきましたので今回はこのへんにしておきます。
後編に続きますので、宜しくお願いします。
私の体験を見て、
同じ想いをしている方が今の状況から脱するきっかけとなれば…
今現在新卒入社して頑張っている方が、わたしと同じ苦しみを味わうことのないよう、参考としていただければ…
それだけで御の字でございます。
それ以外の方についても、感想などを頂ければ大変励みになります❤️💛❤️
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
あなたの人生が、
理想以上のものになりますように🌹