CVR(購入率)を向上させるUXライティング「実践から得た7つのポイント」
1. はじめに
良い文章(コピー)は、UIとしてユーザーにとって心地よい体験を提供します。
そして、ECサイトのボタンひとつの文章(コピー)が、CVR(購入率)に大きな影響を与えることがあります。
この記事では、RAKSULのプロダクトデザインでの実践からBefore Afterをご紹介しつつ、UXライティングについて解説したいと思います。
2. UXライティングの基礎原則
「シンプルさと明快さ」「一貫性」「共感と人間らしさ」が、基礎原則として挙げられます。複雑な言葉や曖昧な表現は、ユーザーに混乱を与えます。
シンプルさと明快さ
短い表現で、ユーザーに意図が伝わるかを意識します。例えば、ボタンUIは「購入」よりも「カートに追加する」の方が明確なアクションになります。一貫性
UIのあらゆる箇所で同じトーンとルールでメッセージを伝えることで、ユーザーはプロダクトを使いやすく感じます。共感と人間らしさ
フレンドリーで安心感を与えるトーンにすることで、ユーザーのプロダクトやサービスに対する不安や疑問を和らげ、信頼へと繋がります。
これらの原則に基づいて、ユーザーが心地よく使えるインターフェースを目指しましょう。
3. ユーザーベネフィットを伝えるライティング
ユーザーがサービスやプロダクトを利用することで得られるメリットを明確に伝えることで、ユーザーの行動を促進します。
1. ユーザーが得られる価値にフォーカスする
ユーザーは「何ができるか」だけではなく、「なぜそれが自分にとって良いのか」を知りたいと考えています。例えば、「このアプリでタスク管理ができます」ではなく、「タスクを整理して、日々の仕事がスムーズに進む」といった表現が、ユーザーの心に響きやすくなります。
2. 結論ファースト、簡潔で明確なメッセージ
結論やメリットを始めに提示する。簡潔で分かりやすい表現で、必要最低限の情報に絞りましょう。たとえば、「たった3ステップで簡単に設定できます」といった具体的な表現が効果的です。
3. アクションをサポートする言葉選び
UXライティングでは、ユーザーが次の行動を起こしやすいように誘導することも大切です。例えば、「今すぐ始めましょう」や「カンタン3分で完了」などの表現で、ユーザーに行動のハードルが低いと感じさせます。
4. 親しみやすさと信頼性を両立させる
フォーマルすぎる表現や専門用語が多いと、ユーザーにとって取っつきにくい印象を与えることがあります。親しみやすく、ユーザーに寄り添った言葉遣いで表現しつつも、信頼感を損なわないように配慮することがポイントです。
5. 視覚的なヒントと組み合わせる
ベネフィットが文字だけでなく、アイコンやイラストなど視覚的な要素とともに提示されると、ユーザーにより直感的に伝わります。たとえば、「セキュリティが万全です」と書くだけでなく、シールドのアイコンがあると安心感が高まります。
ユーザーベネフィットを意識したUXライティングは、ユーザーが「このサービスを使いたい」と感じるかどうかに直結する重要な要素です。
4. UXライティングの具体例とテクニック
機能や特徴をただ羅列するのではなく、ユーザーが「どう感じるか?」「どんな価値が得られるか?」ユーザーの行動や心理を理解しながら、仮に目の前にユーザーがいた場合、仮に自分がサービスを提供する店員ならどう説明するか?どう伝えるか?を考えることが重要です。
マイクロコピーの改善
「次へ」よりも「配送先を入力する」のように、次のアクションが具体的にわかるコピーを使い、ユーザーの理解を助けます。エラーメッセージ
「無効です」ではなく、「クーポンコードが正しくありません。スペルを確認してください」といった、具体的な改善点を示します。エンゲージメントを高める言葉選び
例えば「レビューを書く」ではなく「ご意見をお聞かせください!」とすることで、ユーザーにとって敷居の低いフレンドリーな表現にします。
5. UXライティングに必要なサービス人格
サービス人格(パーソナリティ)は、顧客像(ペルソナ)と同様、もしくはそれ以上にユーザー体験を構築するために重要な要素だと考えています。
サービス人格(パーソナリティ)の定義
デザインプロセスの初期段階から、サービス人格を定義することでプロダクトを作りやすくなります。
6. UXライティングのトレンドと未来
Slackなどを見ると、UXライティングの世界にもトレンドを感じる瞬間があります。
親しみやすさと自然さ
より会話調のナチュラルな言葉使いが好まれている傾向があります。パーソナライゼーション
ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズされたメッセージが増えています。AIとUXライティング
生成AI技術によって、UXライティングの自動化が進んでいますが、ユーザーの感情に寄り添うことができるのは、まだ人間の力が大きいと感じています。
これからのデザインには、こうしたトレンドを理解し、応用していければと思っています。
7. より良い顧客体験を提供するために
最後に、すぐに実践できるポイントを3つだけ!
具体的な指示として「次へ」ではなく「〜〜を入力する」
エラーメッセージは、次のアクション『〜〜をしてください』を明確に
トーン&マナーに、一貫性を持たせることで信頼を築く
以上のUXライティングを心がけ実行する事で、ユーザーにとってわかりやすく親しみやすい体験を提供できると思います!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます!
RAKSULでは、デザインによる成果を、定性評価とCVRといった数字(定量評価)の両方を見ながらトライ&エラーを繰り返しています。
もし、ご興味ある方、お気軽にメッセージください!^^
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