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旅する作家


私は旅する作家のエッセイや小説には強く惹かれる。
以前にも書いたが、ネイタルチャートの3室(文字、学習)水星と9室(海外への旅、精神性)海王星が180度で5室(趣味、娯楽)金星と調停というアスペクトを形成し、海外の旅に関わる小説を読むことに楽しさを感じるエネルギーが働きやすい。

私が愛読してきた旅する作家は、沢木耕太郎氏、池澤夏樹氏、伊集院静氏、辻仁成氏、星野道夫氏等。
最寄りの図書館の置かれているものはほぼ読み尽くした感がある。

最近でも私設図書館や市外の大きな図書館で読んでいなかった本があれば借りたり、書名を確認して最寄りの図書館で検索で予約したりして楽しんでいる。

それぞれの旅する作家の小説やエッセイは、私小説的な要素もあったり、過去の記憶や夢の引用等もあり、とても興味深い。
最近でも池澤夏樹氏の30年前のエッセイ集を読んだが、言うまでもなくプロの作家であり、本当に日常の出来事から話が展開し、それに絡んだ詩や小説や著者の記憶が途中引用され、3000文字の程度で起承転結が実にうまく構成されている。
その中でも食事に関しては池澤氏も基本は身近にある素材で作るというブリコラージュ的な姿勢が強くとても共感するものがあった。
 パリに息子さんと暮らされている辻仁成氏もできるだけ毎朝、市場にでかけてそこで見つめた食材でその日のレシピを考えると語られていた。

昨年亡くなられた伊集院静氏は、若い頃に弟さんを海難事故で亡くしておられ、先日読んだ短編小説においても河が海がモチーフになっているものが多かった。伊集院静の物語はとても情緒的であり、季節の花の描写が繊細で小説の最後は主人公の心情と響き合うような形で草花が描写される場合が多い。それにより余情が生まれ、読んだ後に読み手にイメージを膨らませてくれる。


奇しくも昨年末にご縁ができたシェア本棚明石では出版活動もされてり、
昨年までの出版のスタイルを変えて新たに3月から合同でkindleによる電子出版をはじめられると案内を受けた。
早速、過去の海外の旅の記憶を3000字弱のエッセイにまとめてみたが、読むことのみならず海外の旅の記憶に関して言葉にしていく作業はとても楽しい。






冬木立行く地図もなくあてもなく
知る人に出会ふことなく冬の街
時雨傘皇帝ダリア囲みけり
小寒の空の蒼さを胸深く
優しさが仇になるかも冬青空

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