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海王星の受け皿としての天王星

ひょんなことで松村潔先生の「完全マスター西洋占星術」を入手した。
以前から本書は知ってはいたが、ちょうど出会うタイミングであったのかもしれない。
ふとこの本を読んでみようかと思いが浮かび、手頃な中古本を入手できた。
500ページ近い分厚い本で、たまたま開いた海王星の解説の内容に目が止まった。

海王星の受け皿として印象を意識化するものは天王星です。そのため海王星を生かすには、天王星の発達が必要です。それは「ローカルな印象にとらわれることなく、普遍的なシンボルで考える力」です。たとえば海王星が何かイメージを見たときに、土星で解釈しようとすると、そのイメージは具体的にどこの場所なのか、それが真実なのかどうかを考えはじめます。しかし十分に発達した天王星ならばどこにも通用する共時性の感覚で解釈しようとします。

完全マスター西洋占星術 松村潔著より引用
 

たまたま開いたページが海王星の解説であり、そのメッセージは、まさに私が最近、模索しているホロスコープ、タロットカード、夢分析等から共時性を含んだ象意を抽出しようと試みている内容に触れていた。
ここでの土星での解釈、そして天王星で解釈した場合の違いは、何となく自分の中でも思い当たるものがある。

自分の中では何となくという感覚で惹かれていたものの連動性、共時性をこのようなシャープな言葉で表現されることで、私の中でより確かなものとして落ちていく感じがある。


また、本書のプロローグにも実に興味深いメッセージが載せられていた。

占星術で判断する天体の影響は、象徴的だったり構造的だったりします。
これまでの占星術の技術の伝統は、星の影響を力技で強引に地上の現象と結びつけてきました。
この象徴的な天体の影響と地上の事象には、長く続くような固定的な関係性はありません。象徴性しか持たないアストラルの原理と物理的な事象は別次元であり、別の原理で働いていますから、同一性を問うことはできないのです。
象徴性を事象に対応させると、シンボルは多くの事象を複合的にカバーする広範性を持つために、結果として解釈のほころびが多数出てきます。
(中略)
星のシンボル的な影響を、事象に当てはめる作業は人の作業。そして体力的にも知力的にも、それは多くの人と変わらない普通の人間の作業なのです。
(中略)
占星術は人間の知能のもう一段階先に進んだ部分、すなわち象徴的な言語を
まどろっこしい解釈を仲介しないで、ダイレクトに理解するという訓練に貢献するのです

完全マスター西洋占星術 松村潔著より引用


星のシンボルとしての象徴性は、とても包括的であり、以前から解釈する側に委ねられるという意識があった。象徴的な言語は、河合隼雄氏が語られているが、物語性を含んでおり、現実的な事象にあてはまらないことが多く、無理してあてはめてしまうことで、松村氏の解釈のほころびという状態が生まれるかと思う。
そういう意味でも象徴性は象徴性のままのイメージでその人の中に受け入れていくというスタンスが私の中では違和感がない。

それは、マドモアゼル愛先生の西洋占星術は占いではなく意識の学問と語られていたように、自分自身の意識の変化を促すもの、それを通して自分の人生がかけがえのない貴重な物語として自分の中に受け入れていけるプロセスそのものが豊かさであるように改めて認識させられた。

西洋占星術は占いではなかった|junchan (note.com)




紫陽花や2カ所に蒼き付箋貼り

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