中三の時の友達
コロナのニュースばかりで気が滅入るので思い出話。
中三に進級した春休み。
いつも遊ぶのは駅周辺だったけど、
《駅と反対方向って、何があるんだろう?》
友達のこの疑問を解消するためチャリで行けるとこまで行ってみようということになった。
中学三年生。受験生の発想としてはバカすぎると思うけど男子は基本、バカなのでしょうがない。
2時間くらい進むと高台にマンションのような建物が見え、
「あそこからの景色、すごそうじゃない?」
友達の言葉でマンションへ行くことに。行くと工事中で高層団地という感じ。
その日は土日のどっちかだったようで人が誰もいなかった。
バカな男子が考えるのは最上階へ行って景色を見ること。
エレベーターは動いてなかったので階段を登って最上階まで上がったけど、見晴らしのいい方はベランダ側で廊下からの景色はあまり良くなかった。
じゃあ屋上へ行こう。
でも、屋上に続く階段は鍵のかかったドアと階段の周りは柵で覆われていた。
なので柵の足がかかる場所を探して柵の外側を登って屋上に上がった。
記憶だと14階建て。今思うとよくやれたなと思う。
屋上は給水タンクがあるだけで落下防止の柵はなく見晴らしが良かった。
景色を見てると友達が、
「いけそうじゃない?」
と、隣の棟を指差した。
飛び移れるよね。と。
正確な距離は分からないけど隣の棟との間隔は2mない感じだった。
バカは無敵。実行した。
ジャンプするときは普通に飛び越えるのではなく、飛び込み前転で飛び越えた。
説明しづらいので飛び込み前転が分からない場合はこの動画を↓
https://www.youtube.com/watch?v=npc8ERfDL6c
普通にジャンプしようとしてビビって減速してジャンプしたら重心が後ろになって飛び越えられないかもしれない。
飛び込み前転ならビビっても重心が前にあるので飛びきれるだろうとバカなりに考えた結果。
最初の一回は怖かったけど、出来ちゃうと恐怖より興奮が上回る。
友達と何度も飛び越えた。
それに飽きて景色を見てると、友達に名前を呼ばれたけど姿が見えない。
また呼ばれたけど姿が見えず給水タンクの裏も見たけど居ない。
声がした方を見ると建物の縁に何か見えた。
人の指。8本の指が見えた。
近づくと建物の縁に友達が親指以外の指8本だけでぶら下がってる状態。
目が合うとニヤっと笑って、
「懸垂!」
と、言って腕の力だけで体を上下させた。
『分かったから早く上がって』
そう頼んで上がって来てもらった。
やってることがヤバすぎて、こっちの心臓が止まるかと思った。
友達は誇らしげだったけど、怖くなって屋上にいるのを止めて他に行こうとなった。
建物を降りた後、いつも行かない方向へさらに進んだけど、春一番が強すぎて前に進めず諦めた。
14階での懸垂が友達に自信を持たせたのか、学校の階段の手すりの上で倒立をするという恐れ知らずなことをした。
うちの中学は螺旋階段があり3年のフロアーの5階でやってたら、バランスを崩して螺旋階段の真ん中の穴の部分へ落ちた。
でも身体能力と反射神経がすさまじく、空中で姿勢を変えて1階下の4階の手すりを掴んで大事故を回避した。
が、そこに女の先生と下級生の女子がいて、上から人が降ってくる姿を見た先生は悲鳴を上げて気を失って倒れ、女子は大泣き。
他の先生がやって来て、友達は職員室へ連れていかれ午前中帰ってこなかった。
後で聞いたら、校長、教頭、その他大勢の先生に怒られた後、
「腕力を試したいなら限界まで試させてやる」
職員室でずっと腕立て伏せをさせられたらしい。
母親も呼び出されて怒られ、夜、仕事から帰った父親に人生で初めて殴られたとも。
放課後、緊急学年集会が開かれて、
「階段の手すりの上で倒立をしない」
と、ジャッキー・チェンだって、そんな注意されないだろうという注意をされた。
バカの無敵さも先生と親相手には通じない。
それを実感した思い出。
ジュースが飲みたいです('ω')ノ