解けない謎
月曜日に投稿したこの記事を書きながら思っていたけど、何でか外国の人に道を訊かれることが多い。
以前、仕事帰りにメモ紙を見ながら住宅街を困った顔して歩いている黒人の男性がいた。
目が合った瞬間、
“ 聞ける人、みっけ! ”
って、感じの満面の笑みで近づいてきて、
「近藤さんの家はどこですか?」
メモ紙に書かれた地図を見せられた。
紙には駅から近藤さんの家までの地図と隅っこに
“ 迷ったら人に聞く ”
日本語で走り書きされていた。
地図はものすごい雑で、よくこれを見てここまで来れたなと感心した。
しかも目的地の近藤さんの家の見分け方として書かれたのが、
“ 青い屋根の家 ”
11月の時間は19時前。
見えないでしょと、心でツッコんだ。
地図をよく見ると、今、自分たちがいる目の前の家が近藤さんの家だったので、
『ここですね』
指差しながら言うと男性は、
「oh my god…」
溜息みたいなか細い声で言った。
もしかして、屋根の色が確認できずに長時間、近藤さんの家の前でウロウロしていたのか。
インターホンのどこを押せばいいのか分からないようだったので代わりに押して、
『通りすがりの者ですが、外国の方のお客さんです』
こんな感じでインターホン越しに近藤さんに説明した。
お礼を言われて、そこで黒人さんとは別れたが本場の「oh my god」が聞けたのが嬉しかった。
一番、印象に残ってるのが見た目が日本人と変わらなかったので多分、中国か台湾の人。
上野広小路口を出て、すぐのとこで信号待ちしてると、
「すいません」
後ろから声を掛けられ見るとメガネをかけた男性と男性の右腕にしがみつくように腕を絡める女性。
男性は目が合うとすぐに目を逸らして、
「雨でお足元の悪いところ、足を止めさせてしまい大変、恐縮ですが道をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
目を合わせずに言ってきた。
『大丈夫ですよ』
と、答えると、
「丸井百貨店がどちらにあるかお教えいただいてもよろしいでしょうか」
道路を挟んだ丸井を指差して、
『あの建物です』と答えると、
「お教えいただき恐縮です」
丁寧なお礼を言われた。
自分の日本語が通じてホッとしたのか笑顔になっていた。
目を合わせなかったのは一生懸命、言葉を思い出しながら話しているように見えた。
女性は彼の日本語が通じたのが分かったようで尊敬するような眼差しを向けていた。
外国語を覚えて、その言葉を母国語として使う人と話せるって、すごいと思うので彼女が彼を尊敬する眼差しを向けた気持ちは分かる。
でも、彼の日本語。
間違ってはいないけど正しいかと言われると、それもちょっと違う。
彼が日本語を覚えた教科書って、どんな内容なんだろう。
ずっと気になってしょうがないけど、どこの国の人かも分からないし絶対に解けない謎だ。
ジュースが飲みたいです('ω')ノ