思い込み
職場で使う消耗品。数か月に1度しか使わないので年間にかかる費用はそれほどでもないが注文かける時に『結構するな…』と思わされるものがある。
後輩が同じメーカのもので安いのを見つけてくれて、試しに使用したら特に問題ないようなので上司含め、皆で話し合ってる時に
『〇〇さんが見つけてくれた、この廉価版でも問題ないようですし、今後はこれにしましょうか』
そう言うと後輩が
「れ、劣化版ですか?」
驚いたような表情で言ってきた。
劣化版じゃなく廉価版。
性能もしくは品質を若干、落とすことで価格を下げた製品のこと。
と、僕が廉価版の意味と解釈している内容を説明すると、
「劣化版じゃなくて廉価版?初めて聞きました。そういう言葉あるんですね」
と、言われた。
もう一人いた後輩も初耳で、せっかく見つけてくれたのに劣化版なんて言い方酷い。とビックリしたと言われたので、勘違いさせてごめんと2人に謝った。
廉価版と言う言葉を知ったのは小学生の時。
ガンダム大辞典みたいな本の中にあった。
ガンダムの作中にジムというモビルスーツ。ロボットがある。
こいつはガンダムの量産型となっているが性能が落ちる。
性能落ちるならガンダム作ればいいじゃんと子供心に思ったが、ガンダムは使用している素材や内部の機械・センサー類が高額で製造工程も複雑なため製造コストが高い。
劣勢な戦局を挽回するためにはモビルスーツを大量投入する必要があるため、素材含め様々なものの品質を落とし製造工程も簡略化することでガンダム1機の製造コストでジム20機が製造可能なので、ジムが製造されたと。という設定。
そのため、ジムはガンダムの量産型と言うよりもガンダムの廉価版。
こんな感じで書かれてたと思う。
このジムの説明の中で廉価版と言う言葉を知った。
自分が小学生の時に知った言葉なので皆も知ってるだろうと思い込んでいた。
言われてみれば人との会話の中。仕事でも廉価版って、聞いたことない。
終業後、帰路を上司と歩いてると、
「さっき、〇〇君が廉価版を初めて聞いたって、言ってたろ?
俺も「廉価版?」って、考えちゃってよ。
ユリアン君の説明聞いて、なるほどな。って思ってさ。
前に聞いた気はすんだけどな。言うなよ。一番、年上でしかも上司が知らないって恥ずかしいから」
上司に笑いながら言われた。
ちなみに“ 廉価版 ”の正しい意味は、
“ 普及の促進などを目的として、価格を通常より低く抑えた商品 ”
らしい。
たまに、やたらと横文字を使うせいで、その言葉に注意がいってしまい話の内容が入ってこない人がいる。
日本語で十分、意味が伝わるのに英語に置き換えんなよって、そういう人にイラっとするけど、系統は少し違うけど自分もそっち側に足を突っ込んでたのかも。
そう思えてきたら、凹んでしまった。
意味が確実に伝わるよう使う言葉には気を付けよう。
今日の反省。