たぶん信じてもらえない話
数年前の話。
仕事帰りに本屋に入った瞬間、女の子の悲鳴みたいな声。
声のした方を見ると、
「これなら、うちらでも作れそうじゃない?」
『ホントだ。簡単そう』
二人の女子高生がバレンタインデーのポップがあるコーナーで話していた。
女の子にとって大事なイベントだよな。オッサンくさいこと思いながら、その娘達に背を向ける形で本を探していたら、
「でもさ、小麦粉って、どこで手に入れるの?」
“ は? ”と思って、その娘達を見た。
視界に入ったお客さん、ほとんどがその娘達を見ていた。
レジで会計してるお客さんも。その会計をしていたレジに二人いた店員さんのうち、一人も見ていた。
『そこだよね』
小麦粉の入手方法を問われた友達が答えた。
嘘でしょ?思ったけど、いつまでも女子高生を眺めてると勘違いされそうなので本を買って店を出た。
周りの人に話しても“ そんな娘いる訳ない ”と信じてもらえない。
今は社会人として働いているだろうけど高校時代、小麦粉の入手方法を知らなかった女性が少なくとも二人。どこかにいる。
ジュースが飲みたいです('ω')ノ