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「寒鴉(かんがらす)」*言の葉Days365*12/4

暮れ方や虚空の一点寒鴉

         森八七菜


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「暮れ方(くれがた)」

夕暮れ時
一日の終わり
年代や季節の終わり


「虚空」

(こくう)

大空や何も無い空間

仏教においては
なにも妨げるもののない
すべてのものの存在する場所
空間を意味する
広大無辺や永遠を表す


「寒鴉(かんがらす)」
冬の季語

新年の季語では
「初鴉」があり

「鴉の子」
春の季語である

同じところに止まり
じっと動かず
寒さに耐える鴉

枯れ枝に鴉という
冬に見かける風景は

いかにも寒々しく
寂しげで
冬の画題としては
典型的なものの一つ

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今朝の俳句は

司馬遼太郎のベストセラーの中から
その魅力を凝縮した
箴言集「人間というもの」
司馬遼太郎著
PHP文芸文庫より

(P25)
「夏草の賦(上)」から

「虚空の一点」
お借りしている

昨日ふと本棚から
この本を取り出し
開いてみたところ

巡り合った言の葉
「虚空の一点」

一説をご紹介してみようと思う


物事は両面から見る。

それでは平凡な答えが出るにすぎず、
知恵は湧いてこない。

いまひとつ、

とんでもない角度
つまり天の一角から見下ろすか、

虚空の一点を設定して
そこから見下ろすか、

どちらかしてみれば
問題はずいぶんかわってくる。



どうしても
この「虚空の一点」を
俳句に詠んでみたくなり

歳時記を開きながら
日々のことを想ううち

散歩道 
坂の上から見える
遠くの街と海

明け方の空に飛ぶカラスが
ふと浮かんできたので
今日の俳句を
詠むことができた

素敵なタイトルの写真に
出会えたことに
とても驚いている


近頃は
三寒四温に体がついてゆけず

そのせいからか
体も心も三寒四温の如く
揺らぐ毎日に

小さな暮らしの
「ささくれ」が
時折「ヒリッ」として
心地悪い…

「とんでもない角度」とは
どんな角度だろうか…

「虚空の一点」を
ゆくカラスに
その答えを探してみても

今のわたしにはわからない

「わからない」ことは
「わからない」

「わからない」
自信をもってそう言えたなら

それでいいのかもしれない

「わからない」
きっとカラスも
そのように
飛んでいるのではないだろうか

そんなことを考えながら
暮れ方の空を眺め

この記事を書き終えるとする

あたたかな冬の夜を…

感謝の心をこめて
深謝☘

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参考資料

「人間というもの」
司馬遼太郎著
PHP文芸文庫より


クリエーター さや様

素敵なお写真お借りいたしました
ありがとうございます☘


「今はじめる人のための
俳句歳時記 新板」

角川学芸出版=編 



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