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ひがし
2024年10月2日 22:16
朝の通勤時。ぶり返した暑さと重く澱んだ空気が街を包み、重たい足取りで駅へ向かった。少しゆっくり出たため、電車は、ほどよく混んでいた。しかし座席は、朝から疲れきった表情のサラリーマンが陣取っていた。私はつり革につかまり、何を見るでもなく、ただ窓を見ていた。途中の駅で、どう見ても新しい生命を宿した女性が乗ってきた。座席は空いてなく、片手でつり革につかまりながら、片手でお腹を守っていた。