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岩本紅葉先生から学んだこと
私が2期生としててらすに入会し4日目。
昨年行われたセミナー、Viscuitのワークショップに参加したのが、私のてらすでの活動スタートであると共に、岩本紅葉先生との出会いになりました。
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そこからViscuitの奥深さ、ICTの授業活用の可能性を知り、紅葉先生の実践にもっと多く触れてみたいと思うようになりました。
先生の実践や活動について、そこからの私のこれまでの学びについてまとめました。まずこのような素敵な記事を書くことができること、紅葉先生に感謝したいです。ありがとうございます。
1.岩本紅葉先生とは…
岩本紅葉先生は、東京都新宿の小学校で、図工専科の先生として勤務していらっしゃいます。実は私と同期採用ということで、全く頭が上がりません。。
様々な雑誌連載等でお馴染みの紅葉先生ですが、以前私が記事で紹介した"Global Teacher Prize 2020"、教育界のノーベル賞と言われる賞で、世界のトップ50の先生に選ばれている先生です。
2.紅葉先生の授業実践
先生がGlobal Teacher Prizeの表彰を受けたのは、"図工×ICTの教科横断型の授業"が世界に認められたからです。ICTの活用が、専科で教えられている図工という教科の枠から飛び出ており、様々な学びを児童に届けているのだと思います。
・『ピアニストの即興演奏×図画工作(Vicsuit)のコラボ授業』
ピアニストの方を招いて、その演奏を聴きながらViscuitで動く絵を描く。そんなクリエイティブな授業が紅葉先生によって行われました。
詳しい内容や、授業の様子が先生の解説によって確認できますので、こちらのYoutubeをご覧ください!
説明の通り、5年生から活動と人脈・経験をつなげていくことで、同じ児童が6年生になったときスムーズに活動に入ることができるようになっています。
ピアニストの中川さんの奏でる音楽(ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』より)を聴き、曲をイメージして作ったViscuitのアニメーション作品は、三鷹市で行われた実際のコンサートの中で、スクリーンに映し出され、披露されました。
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インプット、感じたことのアウトプット、その成果物が実際に芸術作品として上映され、世に広まっていく。まさにコラボレーションが生んだ見事な成果です。教科融合的な授業実践としても、レベルの高いもので、ぜひ参考にしたいなぁと思いました。
3.先生の考え・行動から学ぶこと-魅力的な授業は日々のインプットから-
紅葉先生に一番学んでいること、それは先生の生き方・活動の仕方自体からなのかなと、先生とさまざまな機会にご一緒するようになってから考えています。
先生の教材研究や実践を生み出す考えがどこから出てきているか。どうやったら紅葉先生のような実践ができるのか。まだまだ学びが足りない私ですが、以前、てらすの活動で先生にインタビューをしたときに、このような解答をされていました。
佐藤:
先生が授業を作られる上で、こだわっていることは何ですか。
紅葉T:
「この題材は面白いかな?」「子どもたちがワクワクできるかな?」という視点です。そこに図工で身につけるべき技能や使わなければいけない用具・材料を組み合わせて授業を作っていきます。
SNSで海外からの情報を得たり、他校の展覧会に足を運んだりして得た情報を、自校の児童にむけどのように還元・実践したらいいか考えています。『図工室に入ったら非日常が味わえる』、そこからさらに外部の方、プロと連携しての授業を考えることで、子どもたちのワクワクが高まっています。
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つまり、皆と違う視点を少しでももつ。日々色々な場面で経験や感覚を自分のものにすること、それらを掛け合わせることで、どんな楽しい授業ができるか考えること、それが大事なんだということだと思います。
ただ教科書・指導書を読み、淡々と流しながらする授業では生み出せない価値は、授業をする先生自身が日々の人生を楽しんで、自分にしかできない経験をどんどんして、それを授業や児童生徒との関わりの中に落とし込んであげること。それが大事なのだなと思いました。授業以外の生徒への語りなどにも、生きてくるものが必ずあるはずです。
Youtubeの次のインタビューの一部でも、同じようなことを語られています。
『まぁ私は本当に楽しいことしかしたくないんですよ。』
『例えばやっぱり自分の見てきたものとか経験とかそういうものが組み合わさった時に新しい題材が生まれることが多いのでなるべく美術館にたくさん行ったりしたりとか後はレジャーとかもダイビングしたりとか山登りしたりとか色々なものに触れるようにしていますね…(後略)』
この自分の人生を楽しむってこと自体は、それぞれどの先生も、人も当たり前なのかもしれないけれど、とにかく先生自身が日常を楽しみ、いろいろなところからいろんな情報を得て、それを授業に落とし込むんだという視点を持っておられることが、先生の凄さだし、偉大さの所以なのだなと思います。
4.てらす以外で紅葉先生がされているすごいこと
最後に、授業てらすで、アンバサダーとしてさまざまなことを教えてくださる紅葉先生の他の一面を紹介。
A. 共創教育コミュニティこくり代表としての先生
日々の学校での業務の外で、【共創教育コミュニティ こくり】という団体の代表を務められています。
こくりの主なイベントとして、年に数度行われているのがLT(ライトニングトーク)、つまり授業実践・学校改善の取り組み紹介のミニ交流会があります。
昨年秋には、『教育100人TALKS!! 10分でやりたいこと、会いたい人が見つかる
日本最速の「1分」プレゼン交流会』が行われました。1分のコンパクトな実践発表をいくつも、興味にあったものが聞けて、その後実践された先生との交流ができる機会でした。
私も参加しましたが、その道を極めたさまざまな先生方が登壇し、交流を図っている場面が圧巻で、色々な質問をすることもでき、すごい学びの場となりました。この交流会では、登壇者となるとともに、全体の総指揮をされていました。(しかもそういえばてらすのViscuitイベントとのダブルヘッダーでしたね。。パワフル。)
B.3/26 SCHOOL武蔵野
先日、武蔵野大学で行われた “SCHOOL武蔵野”という教育クリエイター(Youtuber)や学校の先生が学生向けに本気の授業をしかける、という大規模なイベント。(興味がある方は↑のリンクをクリック)
紅葉先生は、学校の先生が行う授業(18授業)の取りまとめ、そしてイベント全体の流れも指揮する、敏腕キャリアウーマンの働きをされていました。
とにかくいろんな守備範囲のことをなんでも自ら楽しんで取り組み、少しでも自分のものにしようと取り組む姿が素敵です。
関わる人に本当に温かい心で接されているため、いろんなすごい先生・方々が紅葉先生を慕って、周りで活動をされているのだと思います。
これからも、紅葉先生の素晴らしい実践・ICTの活用、そして『日常を楽しむことが大事、そうすればその全てが授業や子どもたちに対する時に活きてくる』という大事な教訓を、これからの教員人生で生かしていけたらと思います。
紅葉先生、これからも授業てらすをよろしくお願いします。
そして私自身も、ずっとずっと学ばせてください。
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授業てらす 2期 よう先生(佐藤 陽介)