スイカは野菜か果物か
高校の「家庭科」の授業で
『スイカは野菜か果物か』をめぐって
教師と論戦したことがある。
教師は『果物』派で、
スイカは甘いこと、
果物屋で売っていること、
野菜だと思ってスイカを食べている人はいないこと、教科書には「くだもの」のイラストの中に載っていること等
を論拠にしていた。
私は『野菜』派で、
スイカは木になる果実ではないこと、
八百屋でも売っていること、
漢字で「西瓜」と書き「ウリ」は野菜であること、
中学の教科書には「緑黄色野菜」に分類されていたこと等
を論拠にしていた。
クラスの意見は半々に分かれ、
授業時間中には決着がつかず、
うやむやになった。
私の認識としては、
なぜ教師が頑なに否定するのか
分からなかったが、
農産物としては『野菜』のはずなので、
もしテストで出たら調べ直そう
という程度の問題だった
(結局、テストには出なかった)。
スイカを食べていたら
急に思い出したので、
今になってネットで調べた。
どうやら園芸など生産者の世界では
『野菜』だが、
小売などの流通や消費者の世界では
『果物』の扱いのようだ。
国(農林水産省)はどうしているかというと、
『果物的野菜』という取り扱いにしていた。
(ちなみにメロンやイチゴも『果物的野菜』)
結局のところ、
『スイカは野菜か果物か』なんて
どうでもよいのだろう。
もっと大事なのは、
スイカを食べる際には
「砂糖」よりも「塩」を振ったほうが
甘味が引き立ってより美味しくなる
ということだと、私は思う。
世の中には、
『この曲は、ロックかポップか』
『この歌手は、アイドルかアーティストか』
『この芸能人は、芸人かタレントか』
『この政治家は、保守かリベラルか』
『この人の立場は、ネトウヨかサヨクか』
等と、二元論で語られることが多い。
どちらに分類されるかよりも
大切なのはその中身だと思う。
中身の良し悪しを語るほうが有益だと、
私は思う。
『スイカは野菜か果物か』といった
無益な分類の議論にエネルギーを費やしたくない。
そんな議論よりも、
スイカをどれだけおいしく味わって食べるかに
私はエネルギーを費やして生きたい。