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元気なときもそうでないときも、旅が世界を広げてきた。旅好きの社員が語る「忘れられない旅」

「忘れられない旅は?」

と聞かれたら、どんな思い出が浮かびますか?

そこでしか見られない美しい景色、おいしいご飯、お世話になった人の顔など、世界は広く、思い出もさまざまです。

旅好きが集まるJTBグループ社員が「忘れられない旅」のエピソードを語る、本企画。第3回目に登場するのは、ビジネスソリューション事業本部の神 太優じん たいゆうです。

高校生の頃から「旅に関わる仕事がしたい」という夢を抱き続けてきた神は、同期の中でも“生粋の旅好き”として知られています。そんな神の「忘れられない旅」とは?


もっと広い世界を知りたい。高校生の頃に旅行会社で働くことを決めた

神 太優(じん たいゆう)
2016年入社。ツーリズム事業本部旧イオン板橋SC店にてリテール営業として勤務。2021年よりビジネスソリューション事業本部 第六事業部に異動し、自治体からの受託事業運営に携わる。また、2024年4月からは、社内制度を利用し、JTBツーリズムビジネスカレッジの仕事も兼務している。最近のマイブームは、さまざまなサイトからおいしそうなお店を見つけてグルメ巡りをすること。

——まずは、旅に関する仕事に就きたいと思ったきっかけをお聞かせください。

「旅行会社に就職したい」と思ったのは、高校2年生のときでした。僕は青森出身なのですが、親の転勤で盛岡の高校に通っていて、語学研修先がシアトルだったんです。当時の僕にとっては東京ですら未知の場所だったのに、飛行機でさらに広大なアメリカへ渡ることに。初めての海外渡航だったこともあって、何もかもが新鮮でした。

シアトルでは現地の高校に2週間通ったのですが、アメリカの学生たちはみんな積極的にコミュニケーションを取っていて、「YES」か「 NO」か自分の意見をしっかり口にできるんです。いつも控えで一歩下がりがちな自分とは全然違うなあと感じました。

ホームステイ先での土足文化など、ちょっとした生活の違いも全部が大きな発見で、そのとき「旅は自分の世界を広げてくれる存在だ」と確信したんです。もっとたくさん旅をして、いろんな場所を訪れたい。その一心で「絶対に旅行会社に入るんだ」と目標を決めました。

——その後、神さんはJTBが運営する旅行の専門学校「JTBツーリズムビジネスカレッジ」に入学されたんですよね。なぜ、専門学校を選んだのでしょうか。

「旅行会社に入る」という目標を軸に進学先を考えていたのですが、そんなとき両親が「JTBツーリズムビジネスカレッジ」を見つけてくれたんです。この学校は「総合旅行業務取扱管理者」という旅行に関する国家資格の取得率や旅行会社への就職率が、他の大学よりも圧倒的に高かったんですね。それを知って「旅行会社に入るための最短ルートはここだ!」と感じたんです。

専門学校は2年間という短い期間ですし、国家資格試験は年に1回しかありませんでしたから、文字通りの「一発勝負」でした。1年目の春に入学して秋には資格試験、2年目は就職活動となかなか大変ではありましたが、無事に希望していたJTBに入社することができました。

——高校2年生の頃からの想いを曲げず、夢を叶えたのですね。

そうですね。一度決めたら絶対に曲げないタイプなので(笑)。旅行会社もどこでも良かったわけではなく、「絶対にJTBがいい」と心に決めていました

専門学校に通っていたとき、海外研修制度で3週間ほどオーストラリアのケアンズに行かせてもらい、職場体験だけでなく、JTBが運営するオプショナルツアーに参加させてもらったんです。そこで1つ年上のバックパッカーの方と一緒になり「なんでJTBのツアーを選んだの?」と聞いてみたんです。

その方が言ったのは、「JTBは安心感があるから」という答えでした。JTBというブランドが持つ信頼感は一朝一夕に生まれたものではなく、長い歴史の中で先輩たちが大切に積み重ねてきたものだと思います。そんなJTBというブランドを背負うからこそ、誇りを持って働けるのではないかと思い、JTBを選びました。入社してから9年目になりますが、JTBに対する気持ちは今でも変わっていません。

旅先で得た「経験値」がいつしか自分の「強み」に

——毎月1回は国内旅行に出かけていると聞きました。

国内旅行であれば、同期に負けない自信があります(笑)。特に回数を決めているわけではないですが、最低でも月に1回、多いときは月3〜4回旅行することもあります

最初は47都道府県を制覇することから始めたのですが、それを達成してからは、まだ行ってない市町村に足を運んだり、おいしいものを食べに行ったり、地方にいる同期や先輩に会いに行ったり、何かしらテーマや目的を持って旅をするようにしています。

先日の福岡旅行では「爆食の旅」というテーマで、朝はパンを12種類買って移動中それを食べながら、天ぷら定食、もつ鍋、鉄鍋餃子、とんこつラーメン、ホテルに戻ってからおつまみと、1〜2時間置きにひたすら食べまくりました。味を忘れないようにメモに残したり、写真を撮ったりして記録しています

——1日3食では食べきれない量ですね! JTBで働き始めてから旅行の仕方に変化はありましたか?

そうですね。旅行の回数が増えたことと、目的がより明確になったと思います。

入社してからの最初の5年間は店頭での接客の仕事をしていたのですが、特に1年目はお客様に上手にご案内ができず悔しい思いをすることが多かったんです。旅好きなお客様であれば、僕よりも観光地に詳しい場合もありますし、どれだけトーク力を磨いたとしてもご満足いただけない場合もあることを学びました。

同期の活躍も耳にするようになってきたなかで、どうしたら自分ならではの強みを発揮してお客様に満足していただけるだろうか、と考えた結果、僕の答えはとにかく「経験値」をためることだったんですね。たくさん旅行をして、その経験をお客様に還元できるようになろうと思ったんです。

——自分が行ったことがある場所とそうでない場所では、提案の質は違ってくるのでしょうか?

はい、まったく違います。実際に訪れたことがある場所だと、「ここまでの移動はグリーン車がおすすめですよ」とか「この宿に泊まるなら、近くのこのお店がおすすめです」とか、より解像度の高い提案ができるようになります。旅好きなお客様に対しても、その方がまだ行ったことがない場所をご提案できることで、より喜んでいただけることも増えて。

お客様に旅行後に回答していただくアンケートでも、満足度が目に見えて良くなってきました。こうして自分の強みを発見できたことで、少しずつ自信もついていったんです。

——神さんにとってお仕事のインプットのための旅と、プライベートの旅は別物なのでしょうか?

いや、完全に分けるのは正直難しいですね。個人の旅行者として純粋に楽しみつつも「自分がお客様だったらどう感じるだろうか?」と常に考えながら旅をしています。職業病かもしれませんね(笑)。

ただ、お客様に提案するからには、まずは自分が心から旅を楽しむべきだと思っています。僕はいつも「旅が恋人」というテーマを持ち続けていて、「どんなときでも旅を恋人のように大切にしたい」という気持ちが根底にあります。

悩んだときも旅に出かけることが転機となる

ケアンズ支店ではカウンター業務実習も経験

——そんな神さんの「忘れられない旅」を教えてください。

どの旅も思い出深くて1つに絞るのは難しいですね…。でも、さっきお話しした専門学生時代のケアンズはいろんな意味で思い出深いです。当時は、旅行会社に入りたいという目標はあったものの、具体的にどんな仕事をしたいかまでは明確じゃなかったんです。

でも、ケアンズでいろんな仕事の体験をさせてもらう中で、店頭での接客が一番好きだなって感じました。そもそも人と話すことが大好きですし、旅という形がないものだからこそ、お客様に感謝してもらえる機会が多いんですよね。それを教えてくれたケアンズでの経験が僕の原点であり、一番思い出深い場所です

ケアンズ滞在時のホストファミリーとの集合写真

忘れられない理由はもう1つあって、あまりの日差しの強さに火傷をしてしまい病院に行ったことです(笑)。それまで海外保険の重要性をあまり実感していなかったんですが、このとき初めて「入っておいて良かった!」と痛感しました。それ以来、お客様にも「保険に入っていただくと、安心ですよ!」と実体験を交えてお勧めするようになりました(笑)。

——ケアンズはいろんな意味で大切なことを教えてくれた場所だったんですね(笑)。

そうですね。他にも思い出深い場所としては、元JTBの先輩に会いに行ったマルタ島があります。その先輩は行動力と発信力がすごくて、入社した頃から憧れていました。当時、僕はまだ1人での海外旅行の経験が少なく、ヨーロッパにも行ったことがなかったんです。だから「先輩に会いに1人でマルタ島に行く」というのが当面の目標になっていました。

そんななか、自分の将来について悩んでいた時期があって、気分を変えるためにその目標だったマルタ旅行を決めたんです。いざ先輩に会うと、感極まって泣いてしまって。「やっとここまで来れた」という達成感と、「自分にはこんな素晴らしい先輩がいるんだ」という喜びで、感動しましたね。

——悩んだりつらいときでも、あえて旅をすることを選んだのですね。

はい、そうですね。気分が落ち込んでいる時こそ、あえて旅に出かけるのもいいと思います。苦しい気持ちが続いていると、どうしても視野が狭くなって、考え方も凝り固まってしまうことが多いです。でも、旅をして美しい景色を見たり、美味しいものを食べたりすると、自然と五感が刺激されて視野が広がっていく。そうすると、凝り固まっていた思考も徐々にほぐれていく気がします。これは旅でしか得られない感覚かもしれませんね。

「旅行の仕事」の魅力を後輩に届ける

——現在、神さんは卒業校である「JTBツーリズムビジネスカレッジ」のお仕事も兼務されているそうですね。どのようなことを担当しているのですか?

高校にお邪魔して専門学校の紹介をしたり、オープンキャンパスの案内をしたりしています。今の高校生はコロナ禍で中学校の修学旅行がなかったりと、以前よりも旅行を身近に感じていない子たちが多く、「僕が伝えられることは何だろうか」と日々考えています。

オープンキャンパスに来てくれた子のなかには 「高校の修学旅行の添乗員がJTBの人で、その姿を見て進路を変えてここにきました」と話してくれた子もいました。僕らの姿を見て旅行に関わる仕事を選んでくれた。こんなに嬉しいことはないですよね。

僕はここの卒業生であることに加え、JTBに入社してからも素敵な先輩たちの背中を追ってここまでやってこれました。ですから、旅行に関わる仕事の魅力を後輩に伝えていくことは自分の使命なのではないかとも感じています。

——先輩社員として、特に伝えていきたい「旅行に関わる仕事の魅力」があれば教えてください。

旅行業界は、特別な知識やスキルが必須というわけではありません。お客様に真摯に向き合う気持ちさえあればウェルカムな業界ですし、自分ならではの強みを生かすことができる仕事だと思っています。

例えば、僕は青森出身なので、将来は青森の旅行プランの企画を担当するのが目標です。青森といえば「ねぶた祭」が有名ですが、それ以外にもまだ知られていない魅力がたくさんあるんです。地元を知っているからこそ、自分にしか出せない企画を提案できるのではないかと思っています。

このように自分の馴染みのある地域や好きなこと、例えばスポーツやエンターテインメントと旅行を組み合わせる、というような仕事はJTBだからこそできることではないでしょうか

——たしかに「旅行」といってもさまざまな切り口がありますね。

そうなんです。自分が関わった高校生と、将来一緒に働ける日が来たらいいですよね。そんな日を夢見て、これからも旅行業界の魅力を伝えていきたいです。

写真: 鍵岡龍門
文:  佐藤伶
編集: 花沢亜衣

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