留学中に心が辛くなってしまった人へ
早いもので一年も終わりですね。
私は留学のため昨年の秋に渡独し、今年は私にとって二年目のドイツ。そして、なんと私は今年、厄年でした。それが関係あるのか分かりませんが、順調な留学生活とは行かず、辛いこともありました。
今留学中で辛いという気持ちが、楽しいという気持ちより優ってしまっている方に、私の経験が役に立てばと思い書かせていただきます。
私は現在ドイツの芸術大学で正規留学生として学んでいます。実は、昨年ドイツに来て意気揚々と大学に入学したものの、ドイツ語での授業についていけない上に内気な性格、また外国人は私1人という状況から、精神的に苦しくなり結果として休学を選択しました。当時は、自分の不甲斐なさに落ち込み、苦しくて涙を流したこともあります。そのまま日本に帰ることも考えました。
「留学 辛い」などネットを検索すれば、今は辛いけど耐えればなんとかなる。途中で辞めるのは甘え。ここで逃げるやつはなにをやってもダメ。などが目に入り、さらにマイナスな気持ちになっていきました。ネガティブなときはよりネガティブな言葉ばかりに目がいくので特に。
そういう考えがあることは理解します。耐えることでしか得られないものもあることでしょう。ただ辛い思いをして精神的に参ってるときに追い討ちをかけるような言葉に耳を傾ける必要はなかったと今では思います。もし同じような状況で苦しんでいる方がいるならば、どんな選択を選んだとしても、辛いものは辛い、まずは自分のその気持ちを認めてあげてくださいと言いたいです。自分の心を守ってあげてください。
自分の心の安静が一番大切だと思います。決めるのは自分ですし、自分の人生に誰も責任をとってはくれません。しかし、世界はそこだけではないし、耐えるだけが正解ではないと思います。また辛いという気持ちを恥じずに大学や信頼できる人に伝えることも意味のあることだと思います。私は正直に辛いという気持ちを大学に伝えました。また、海外在住者に向けて、ボランティアの方が相談に乗ってくれる「海外こころのヘルプデスク24時」などもあります。どうか1人で抱え込まないでください。海外の大学は、セラピーなどの精神的なサポートを日本よりも重視しているような印象を私は受けました。おそらく留学先の大学そのような相談窓口があるはずです。
私は休学し、結果として今年の秋から他大学へ進学することを選びました。前の大学が悪いわけではないし、自分に合わなかった。そして当時は語学力が足りなかった。それだけのこと。また、辛いという私の気持ちに対して休学を受け入れてくれた大学には感謝しています。
結果として私は学ぶ場所を変えてよかったと思っています。一本しかないように見える道も、実は横に違う道があったり、分かれ道があったり、迂回することができたりします。サービスエリアで休憩したっていい。一度立ち止まっても、人生はそこで終わりではない。
あまりポジティブな話ではないのでこの話を書こうか正直迷っていました。しかし、私は完璧ではないし不器用で、漫画の主人公のような人生もおくれないけど、私は私でしかない。辛くて孤独だったこの一年の間に沢山のことを考え、それがいまの自分の作品のテーマや学ぶモチベーションにつながっているように感じます。
いま苦しんでる方がどうか来年は、少しでも心安らげる年になりますように。
みなさま、良い年をお迎えください