第101回箱根駅伝雑感
MVPは9区の給水を担当された八田先生です。新年の初笑いをさせていただきました。そんな八田先生が主催されます乳酸研究会は、
2025年2月15日(土)13:30~17:00
【開催案内】第21回乳酸研究会
となっております。今年は懇親会も参加しようと思っております。その後に飲み会を恒例のようにやっていた時代が懐かしいです。こんな会がありますよ、という話をした結果、興味を持って参加された某大学の駅伝監督は、乳酸測定をやり、今となってはLTをベースとしてのトレーニングをやらせているようですし、27分台の選手も育成されております。その会の後の飲み会に呼ばれた某大学コーチもその後は乳酸測定をしっかりとされていますし、乳酸測定はちゃんと広まっていると思います。解説をされていた神奈川大の大後さんが乳酸の測定で知られていましたが、それを真似するところがそんなに多くなかったなという感じですが、この10年くらいでしっかり広まってます。ちなみに、乳酸の測定をすると何が分かるんですか?というのに対しては、フルマラソンなどをどれくらいのペースで走り切れそうかというのが分かります、どれくらいのペースで走るとトレーニング効率が最も高くなるのかが分かります、という感じのことをご理解いただければ十分かと思います。速いペースでのトレーニングをやりたくなるのは分かりますが、それはイメージしているよりも効率が悪いんですよ、というのが分かっているんですけれど、なかなか理解されないわけです。
先日行われた、八田先生の最終講義と位置付けられたシンポジウムでの話の中にもありましたが、「乳酸は疲労物質でないと言い続けて40年」となっていても、それが伝わっていないんですよね。トレーニング効果を高めるという話を聞いたら、じゃあたくさん出せばいいんだとなって追い込むようなトレーニングをしてしまいますが、
追い込むトレーニングは、それはそれで問題点もあるんだよ、という話を先月の広島の短距離イベントでやりましたが、尾崎君とネタが被ってしまい、二人とも追い込んだ時の問題点について話をする、となりました。偶然ですね。広告かよ、といった感じではありますが、まぁ読んで頂いて価値のあるものだと思いますので、余裕がございましたら広島のイベント資料は是非ご購入ください。
箱根駅伝の感想?ペース配分はとても大事です。以上です。
先日のシンポジウムで八田先生が質疑応答で答えていましたが、ペースを上げることによって乳酸値は上がります。それによって体内の糖の貯蔵量が減ってしまうので、後半でペースアップする余裕がなくなります。車で表現するならガス欠です。人間の場合は脂質もエネルギー源にできますが、これを使うのは走るペースをかなり落とさないと難しいので、ペースダウンします。30㎞の壁なんかはこれが多いですね。なので、20㎞を走り切れるであろうペースを設定して余力を持って進み、ラストの方で余裕があると判断して上げていく、というのが正解になります。ニューイヤーのアンカー区間なんかは最後までピタッとつけていましたが、あぁやって余裕を残せるペースで走り続けるのがとても大事です。ただ、一般の市民ランナーの人で練習量がちょっと足りていない場合、ラストで大幅にペースを上げようとすると脚が攣ったりしますので、エネルギー面の話だけでトレーニングの設計をしてはいけません。脚を作るという作業も大事です。ちなみに糖質を貯蔵する量を増やすには筋肉を増やすことが大事になるので、長距離選手といえども適度に筋肉を増やす作業をやらないと速く走れるようになりません。そこもお忘れなく。
ということで、選手と給水係の合計が94歳?という最高記録が出ました。これを抜けるのか、といった楽しみが続いていきます。