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343. まさかの世界観だった、ジブリ「君たちはどう生きるか」
※大きなネタバレにならない範囲で語りたいと思います。
個人的に子供の頃からジブリ作品は意識せずとも刷り込まれているようなアニメでした。
だから敢えて観に行こう!
と思う程の熱量はありませんでした。
ですが今回チケットが手に入ったのもあって、人生で初めてジブリを映画館に観に行きました。
前情報一切ゼロで。
宮崎監督の説教だとか噂されていたり、タイトルが「君たちはどう生きるか」であったりと、けっこう重たい作品になるのかな・・・と少し心配になりつつ・・・
しかし、そんな印象は吹っ飛ぶような作品でした。
「君たちはどう生きるか」
①びっくりした ~作品全体を通して~
個人的に宮崎監督作品は絵の綺麗さや演出だけでなくストーリーもしっかり組み立てるイメージがあったので
今回の構成には少しびっくりしました。
ストーリーの構成にはそこまで重きを置かず
演出、世界観の方を大事にする。
現代っぽいなと・・・
新海誠監督作品に近いのかな・・・と。
②エヴァの旧劇を思い出した
1997年に公開された
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」
テレビシリーズのラストとして公開され、現実の生々しさや精神世界と向き合う描写などセンセーショナルな作品でした。
その映画の後半に出てくる碇シンジが思いあぐねるような展開・・・
あれにとても似ているなと感じました。
(特にシンジがユイと出会い決断をするシーン)
もちろんジブリ作品なのであそこまでグロくて過激な描写はなく
いわゆるジブリの柔らかさを感じるキャラクター達が登場します。
しかし、人間の感情や根っこにあるようなものを形にする。
そこに表れる生々しさ、反発心、狂気的な部分・・・
そういったものが抽象的な存在として劇中に登場していました。
そのあたりがとても似ているなと。
③激ムズ内容 ~ストーリー構成に注目すると~
私自身アニメ映画を観る時は
「演出(絵やキャラクター、背景、世界観)」
と
「脚本(ストーリー)」
に重きを置いて行ったり来たりしてるのですが
「君たちはどう生きるか」
をストーリー構成中心で見るとかなり難しい・・・というのが個人的印象です。
正直10回観て、だれかの解説本読んでやっと全体が把握できるかな・・・というぐらい笑
宮崎監督がどこまで設定を考え
どこまでを皆さんのご想像で補完してくださいとしているのか?
どこまで「言わなくても分かるでしょ?」と考え
どこまで「いや、そんなところまで考えていない」としているのか?
そういった線引きがなかなか難しいなと・・・
④この作品は真っ二つになりそう
観劇後恐る恐るネットの評価をチラチラしているのですが
予想通り色んな意見が飛び交っています。
これから観る人が増えていけばいくほどさらにヒートアップすると思っています笑
先程私は「演出」と「脚本」の2つに重きを置いて個人的にアニメを見ていると話したのですが
「君たちはどう生きるか」は観ている人がどちらを重視しているかで極端に意見は分かれると感じています。
・「演出」を重視・・・綺麗な世界、美しい描写、キャラクターの可愛らしさなど
そういった部分を特に好きでいる人はこの作品「良かった!」という人が多くなるんじゃないでしょうか?
このシーンはこれを表しているんじゃ???と考察が溢れていくような気がしています。
・「脚本」を重視・・・ストーリー全体のつじつまが合っている。問題が起きた時の前フリや解決がしっかり描かれてスムーズに進んでいく。
そういった部分を特に好きでいる人は「なんじゃこりゃ・・・」という人が多くなるかもしれません。物語は淡々と進むけど置いてかれているような気分・・・になる。
どっちを重視するかでこの作品の評価は見事に分かれるような気がしています。
⑤個人的には好き
私個人でいうと好きな作品でした。
ただストーリーは激ムズでした笑
抽象的な作品は割と好きで
さらにその中で「演出」と「脚本」が上手くミックスされている作品はもっと好きです。
正直まだまだよく分かっていない部分がかなりあるのではっきりと自分の中では答えは出ていませんが
直感的には好きな作品だな・・・と思っています。
宮崎監督が82歳にしてこういった世界観の作品を作るとは思ってもいませんでした。
勝手にこういう世界観の作品とは縁がない人だと・・・
高齢となりこれから作品がまだ出るか分からない中で
表現者の意地というか、クセの強い部分を今作品として世に出してくれたことがとても嬉しかったです。
人間のおっくにある本能的で生々しい部分。
言葉ではなかなか伝えづらい部分。
そういった部分を自分は感じ
「あ、好きだな」
と思いました。
不思議な体験が出来てとても良かったです。