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漂流教室 No.55 「『源氏物語』から「遠く離れて」」

現在、修学旅行中の塾生さんがいます。
高校2年生です。
行き先は北海道!

私、北海道には7回行ったことがあります。

1回目は大学生時代。
農家に住み込んで一か月間スイカ収穫のバイトをして、
バイト代を握りしめて北海道旅行。
楽しかったなあ!
牧場の民宿に泊まって、お馬さんに乗ったり。
カナダから観光に来たご夫婦(今の私ぐらいの年齢だったかな?)と
丹頂鶴自然公園で知り合いになって、釧路駅までご一緒したなあ。
英語なんてほとんどできないけど、
なんとなくコミュニケーションが取れたのは
あのご夫婦が簡単な単語と表現しか使わなかったからでしょうね。
札幌ではビール園でジンギスカンwithびいる!

後の6回は全部修学旅行。
修学旅行で行くところって、まあ定番の観光地が多いんですが、楽しいこともありました。
一番面白かったのはなんといってもラフティングです。
でっかいゴムボートに8人ぐらい乗っての川下り。
実は私の乗ったボートが転覆したんです。
川に放り出されたときは生きた心地がしなかったけれど、
ドライスーツも着ているし、ライフジャケットも付けているし、
プカプカと水面を漂うだけでした。
あれはあれで趣深いものです。

塾生さんが楽しい思い出をいっぱい作ってくることを願います。
と同時に、先生たちのご苦労が少しでも軽減されることを願います。
引率って、たいへんなんですよ。

というような苦労話はまたの機会に譲って、さて、源氏物語です。

人よりさきに参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、皇女たちなどもおはしませば、この御方の御いさめをのみぞなほわづらはしう、心苦しう思ひ聞こえさせ給ひける。
かしこき御かげをば頼み聞こえながら、おとしめ、きずを求め給ふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。
御局(つぼね)は桐壺なり。

一の皇子の母である女御は他の方々よりも先に入内なさり、帝も大切だと思いなさるお気持ちは並み一通りではなく、皇女たちなどもいらっしゃるので、この方のおいさめだけはやはり煩わしく、ひどいものだとお思い申しあげていらっしゃった。
更衣はおそれ多いほどの帝のおかげを頼りにし申しあげるものの、更衣をさげすんだり欠点をお探しになる方は多く、自分自身は弱々しく頼りないありさまなので、かえってつらいもの思いをなさる。
更衣のお部屋は桐壷である。
(訳…私)

天皇さんもねえ、第一夫人のことを煩わしく思っちゃいけません。
それに更衣をさげすんだり、欠点を探す人たちがいるのは、
天皇さんが更衣ばかりを愛するからです。
天皇さんが更衣を愛すれば愛するほど、
それが周囲の人たちに見えれば見えるほど、更衣はもっともっと立場が悪くなっちゃう。

さて、更衣さんのお部屋は桐壺です。
だから「桐壺更衣」と呼ばれます。

このね、「桐壺」というところがまた悩ましい。
天皇さんがいらっしゃる清涼殿から一番遠く離れているんです。
清涼殿から離れているとどういうことになるか?
ということは次回に。

またまた業務連絡。
今年もおかげさまで家賃分は稼げるようになりました。
だがしかし、生活費の足しになるほどにはいっていません。

小松市と周辺の中高生の皆さん、
ひふみ塾は国語の得点力アップを約束します。
どうかご連絡を。

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