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国語教師が山田風太郎をおすすめします

山田風太郎をオススメします。

 『甲賀忍法帖』、『伊賀忍法帖』、『くノ一忍法帖』。忍者小説の神様です。
 が、それだけではない。ミステリー、歴史、恋愛、奇想、官能、エログロ、反戦。山田風太郎が書いていないジャンルなんてあるのか?というぐらいになんでも書くお方です。

 忍法帖シリーズは、肉体に欠陥を持った忍者がでてきます。そしてその肉体的欠陥をみごとなまでに長所に変えて活躍します。よくもまあ、こんなことを考えつくなあ、というのがいっぱい。風太郎さんはお医者さんです。だから人間の肉体をアレンジしたアイデアが生み出せるんだ、という評を読んだことがありますが、ホントか?いくら医者でも考えつくことと考えつかんことがあるぞ、と思います。風太郎さんのアイデアはとにかくブッ飛ビ。詳しくお伝えするとネタバレしちゃうので控えます。とにかくお読み下さい。

 エロス系は得意技ですね。歴史小説でも、ミステリーものでも、妖艶な女性がどんどん出てくる。やっぱり、セクシー系の女性が好きなんでしょうね。(わかるなあ!)

 風太郎さんのありとあらゆる小説は、今は文庫で手軽に読むことができます。私がお世話になっているのは光文社文庫の「山田風太郎 ミステリー傑作選」、講談社文庫の「山田風太郎忍法帖」、ちくま文庫の「山田風太郎明治小説全集」。私が持っていないものもまだまだいろいろあります。みなさん、山田風太郎がお好きなようで。

 映画化されたものもたくさんあります。
 『魔界転生』。沢田研二絶世期の作品。妖しかったなあ。それにしても、何でこういうストーリーを発想しますかね?
 『甲賀忍法帖』。映画のタイトルは「SHINOBI」。仲間由紀恵とオダギリジョーがよかったなあ。美しかったなあ。でも、原作の不可思議さは半減かな?
 『くノ一忍法帖』。グラビア系の女優さん達がご出演。ちょっとエッチ。ある意味で風太郎さんらしいといえば、らしい作品です。

 エッセイがまた、すばらしいんです。
『戦中派不戦日記』、『育児日記』。なんかね、いろんなものを捨て去った風太郎さんが見えるというか、風太郎さんとお話ししている気になれるというか、どうも小説を読むときとは勝手が違うんですよ。そこがいい。

 なんだか、最近、世の中がしんどいんですよね。こんなときこそ奇想天外、奇妙奇天烈、傍若無人、天下御免の山田風太郎を楽しみたいものです。

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