推し書店を紹介する(古本)
天牛書店天神橋店(大阪)
常になにかしら買わなくてはならない魔界の古本屋。しかも妙に安く、調子に乗って大量に買ってしまう。海外文学単行本が充実し、ピンチョン、ガルシア=マルケス、ティム・オブライエンなどはほぼここで集めていると思う。天神橋筋商店街は日本最大規模で、古本屋と喫茶店と立ち飲み屋が交互にあらわれるためまったく前に進めず、店から出る頃にはどちら側から来たかもわからなくなるとてもいい商店街なので、大阪で本好きが遊ぶならここを勧める。
花森書林(兵庫)
トアウエストの名物・トンカ書店の移転。トンカ時代からここも常に何か買うべきものがある。花森になってからはより落ち着いた純文学に強い品揃えになった。福武文庫の個人コレクションの寄贈品などすごいものが出ることもある。
口笛文庫(兵庫)
古本とジャズを名乗る、なんでも置いている古本屋。大正昭和の稀少本など探すとけっこういいものが見つかるが、意外と児童書や最近の文庫も掘り出し物があり、家族や友人と行っても楽しめる。近所の六珈などですぐ読めるのも良い。
サンコウ書店(兵庫)
元町高架下界隈では数少ない生き残りの古本屋。三宮〜元町はこの10年でかなりの古本屋が閉店してしまったので、頼れる店がだいぶ減った。ここは文庫の日本近代文学やライトな近年のエンタメなどを買うのに良い。
火星の庭(仙台)
ここは特別に好きな店なので遠方だが紹介する。喫茶スペースを備えた古本屋。文系専門書、美術書、幻想・怪奇系、近代文学、などに強く、児童書や絵本もある。仙台に住んでいた頃はしょっちゅう通っており、古本屋の楽しさを教えてくれた店。コーヒーもおいしい。
コロナの影響でもともと店主高齢化と利益のなさで厳しい古本屋界隈が余計に大変にならないか心配だ。できれば通販などで買い支えたいが、古本屋は店頭で店の傾向と棚を読み買っていくのが楽しみの大部分なので、それができないのは残念なことだ。