うつ病快癒までに参考になった書籍リスト
2021/05/29追記: 現在、うつ病ではなく双極性障害と診断されて治療しています。この記事はまだ診断が変わる前に書いたもの。
抑うつ状態が非常に強かったとき助けになった本
・体験談
患者家族視点・当事者視点を両方知るためにあわせて読むと良い。一般的な患者、家族向けの精神疾患の本に書いていないような症状なども載っており、リアルな肌感覚と共感がある。
体験談の決定盤。非常によく「わかる…」というほかない。これとツレうつシリーズだけ読めばあとはしろうと体験マンガやエッセイなどはむしろ避けた方が良いかと思う。
・小説
うつ病患者をよくあらわした小説はこれを置いてほかにないと思う。これで物足りなければ、同時期作家の結核サナトリウムもの(太宰治「パンドラの匣」、福永武彦「草の花」、堀辰雄「風立ちぬ」「菜穂子」)を読むと良い。
・ワーク
これは紙版を購入しコピー、書き込みが必須。うつで混乱した頭でもなんとか読解できるやさしいワーク。ただ、書くのが非常に好きでnoteやtwitterなどに長々と自己内省文を書き連ねるタイプの人は、認知行動療法の書き出すワークでつらい気持ちを何度も反復してしまい、悪影響になる場合があるらしい。使うときは主治医の判断を仰いでください。
過食症の本だが、うつ病者でも非常に参考になる。特に女性は適する。
腰痛は心因性のものが非常に多いといわれ、うつ病で身体的な症状が大きい場合は疼痛関係の本も多少参考になる。これは非常に平易で読みやすい。
ある程度精神的に安定し、自己の問題と向き合うとき助けになった本
・精神科医の本
うつ病の基礎を学ぶ。野村先生は推し精神科医で、「いやな気分よさようなら」が有名な訳書だが、あれを通読できる元気のある患者などいないと思うのでこれだけ読めばよい。
煽りタイトルだが非常にテクニカルな本。特に、1日の行動日程表を書いて睡眠サイクルを整える治療は非常に効果的なので、興味のある向きは主治医に相談すると良い。
中井先生はうつではなく統合失調症が専門だが、非常に参考になる。精神科医をナメそうになったら読む。レジェンドだからほかの著書も読みたいところだが、ちくまのコレクションなどは非常に難しく専門的なので寛解したときにめちゃくちゃ暇だったら読めば良い。
・母子癒着、過干渉問題
Kindleで買えるので当の母本人にばれずに読めるのが良い。問題を自覚している人はこの2冊だけでだいぶ気持ちが楽になるかと思う。
田房さんのマンガはたくさん出ているが、とりあえずこの1作読めば良い。
「毒親」の初出はここかと思う。参考程度に。
斎藤環。少し難しいが、対談形式なのもあり読んで乗り越えていく本だと思う。母は娘の〜は体力と胆力がついてきてから読むほうがよい(寝込む)。これで物足りなければほかの斎藤環を読む。「イグアナの娘」は重要参照元なので、あわせて読むとよい。
・恋愛、自己の承認
改題なのでほぼ同じ内容かと思うが、文庫版の末尾の対談(信田さよ子さん)がクライマックスなので可能なら文庫版をすすめる。
やや母子問題ともリンクする。病み系体験談はほかのものは読む必要がない(寝込む)。これだけ読み、もう一度二村ヒトシと斎藤環に立ち返るとよい。
母子問題と恋愛、結婚の関係についての本。二村ヒトシともリンクする。これで物足りなければ橋本治の恋愛論を読む。
・就労、社会参加
正直この項目はかなり厳しく、実際読んで今から参考になるぞというような書籍はほぼない。「べてるの家」の統合失調症患者などもモデルにはなると思うが、うつ病で長時間就労が困難というレベルの人間についてはまだロールモデルはないと思う。
人間関係の構築がうつを治す説。実践はなかなか難しいなと思う部分も多いが、なんとなく先の希望が持てる。
最初の方だけ読む。後半は患者が読んでもなにやらわからない話が多い。渦巻状に社会復帰していく図が理解できれば良いと思う。
・補記:これから読む予定