整理〜今使わないのに捨てられない物。
「今使わないの物は捨てる」
ミニマリストの方々は物を捨てる基準の1つに挙げています。
僕も基本的には今使うかどうか、
直近で使うかどうか、
この1年間使ったかどうか、
ときめくかどうか、
など様々な基準を総動員して、
部屋の整理に励んでいますが、
「今使わないの物」なのに捨てられない物があります。
それは、
20歳の時に買ったアコースティックギターです。
僕は音楽が好きで、
10代後半から20代中盤までは、
色々な楽器に挑戦したり、
曲を作っていました。
世の中に発表するつもりはなく、
電子キーボードやカセットMTRを使い、
1人部屋で黙々と自作の曲を録音し、
弟にだけ聴かせていました。
ひきこもり系のシンガーソングライターでした。
26歳の頃にキックボクシングを始めてからは、
ほとんどギターも弾かなくなり、
作曲や録音もしなくなりました。
当時の僕は音楽で自分を表現するよりも、
身体を整えたり、
キックボクシングの技術を磨くことに夢中でした。
35、6歳の頃に、
またアコースティックギターを始めたいと思ってギター教室に通った時期もありましたが、
やはり視力矯正の不具合がしんどくて、
一ヶ月ほどで辞めてしまいました。
それからは家の近くのコミュニティで開催したオープンマイクというイベントでアコースティックギターを抱えながら話したいことをひたすら話す、
という、ライブで言えばMCに当たる部分だけをやるパフォーマンスを行なっていたくらいでした。
ずっと歌を歌いたい、ギターをかき鳴らしたい!
という想いがありましたが、
43歳になった今の今まで、
自分の曲を作って歌ったりギターをかき鳴らすことはありませんでした。
時々人前で自分の曲をギターを弾きながら歌っている場面を想像します。
でも、実際にギターをケースから取り出して弦を張り替え、柔らかくなってしまって思うように弦を押さえられないであろう指を使ってギターを練習し直し、
昔の自分の曲を歌ったり改めて新しい曲を作ったりすることはありませんでした。
思えば随分と長い年月が経ちました。
部屋を整理している時、
いつも黒いギターケースが目に入るたび、
「捨てる/捨てない」のセンサーが働きますが、
「捨てない」の方に振れます。
今は使わないし、
数ヶ月、少なくとも1、2年は弾かないだろうなと思っているのに、
捨てる気が全く起こらない。
いつか使うだろう、
と思っているのか、
オブジェクトとして気に入っているのか、
とても手離す気になれない。
アコースティックギター、
という物体は、とても大切なものと繋がっている気がする。
もしかしたら、
アコースティックギター1本部屋に置いておくことが、僕の心の支えになっているのかもしれない。