ゆるいチューブトップで心臓マッサージをするべからず
医学生の時、消防署で救急車体験をさせてもらった話を前に書いた。
その逆で、新米の救急隊員さんが、数日間救急(ER)に実習に来る時もある。
今回はその時のお話
【研修医1年目】
私が救急を回ったのは一番忙しいといっても過言ではない12月と1月だった。
なんといっても脳梗塞とか心筋梗塞といった心血管イベントが多い。
おまけにインフルエンザも多いし、火傷も来る。
私はその頃、白衣の下にチューブトップを着るのが自分の中で流行っていた。
普通のTシャツとかキャミソールだと、しゃがんだ時にブラが見えてしまう(残念ながら谷間はできませーん)のにも関わらず、チューブトップはさらしのように私の胸を守ってくれる。
しかしチューブトップにはゴムがきついものとゆるいものがあり、ちょうど良いサイズにめぐりあうのは中々難しい。
私はその日、手持ちの中でも最もゆるいチューブトップを着ていた。
救急だけに心停止の患者さんが運びこまれてきた。
多くのスタッフが集まり、心肺蘇生を行った。
下っ端の私の仕事は心臓マッサージ
心臓マッサージはやったことのある人はわかると思うが、かなり体力がいる!人間はプラスティックの模型人形とは違い、硬い。
2分経ったら他の人と交代して頑張った。
その後、患者さんは一命をとりとめた。
ふう、よかった
しかしその時、やけに救急隊員さんからの視線を感じたのだ。
私の心臓マッサージに感銘を受けたのかな?
満足感でいっぱい、ポジティブな気持ちになっていた私はそう思った。
ふと自分の胸元に目をやると
な、なんと!
チューブトップは下降し、腹巻のようになっているではないか!
そして、私は白衣の隙間からブラ丸出しの状態であった!
恥ずかしい!!!
人間生きてると恥ずかしいことはごまんとあるが、あの時はけっこう恥ずかしかったなぁ
そう、だからね
ゆるいチューブトップで心臓マッサージはしない方がいいよ!
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