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【精油#2】精油の歴史について

こんにちは、今日は”精油の歴史”についてです。

私たちは、日頃何気なく香りと触れており、香りについて紐解いていくと歴史と深い関係があることに気付かされます。

日本史、世界史を勉強してこなかった私でも楽しめたのでぜひ皆さんにもシェアしたいと思います。

※私が勉強したことをまとめているだけなので、ご興味ない方はスルーしてくださいませ☺️

世界の香りの歴史

旧石器時代

まず、人間が香りの効果について気づいたのは木を火にくべた時にいい匂いとが漂い、気持ちが落ち着いたり、神聖さを感じたところからスタート。

古代より、人々は宗教的な儀式や祭礼などで、良い香りのする木(香木)を焚いていたそう。

古代エジプト時代

原始的な香りの気づきから、植物の芳香成分の性質を理解し活用した古代エジプト時代。

イエス・キリスト誕生時の捧げ物にも、乳香と乳化が含まれていた事から、おそらく紀元前から使われていた事が推測されます。

☆ミイラ作りの際の防腐剤として使用
・殺菌作用のある没薬(ミルラノキの樹脂、ミルラ)
・乳香(ボスウェリア属の樹木の樹脂、フランキセンス、オリバナム)

他にも、
・神への捧げ物
・悪魔祓い
・治療に使う
・性行の後 にも使われたそう

◎おまけ
古代エジプトの女王クレオパトラが、バラが持つ気品高く、みずみずしい香りを利用し外交に役に立て、また古代ローマの英雄カエサルやアントニウスもバラの花を好んだため彼女は屋内にバラを敷き詰め彼らを招いたとの記述が残っているそうです。

古代ギリシャ時代

植物の芳香成分による治療や病気予防は古代ギリシャ時代から行われいました。

ギリシャ医学を急速に発展させた「医学の父」ヒポクラテスも香油の作用について記しており、時には鎮痛作用のある香油のトリートメントで外傷を治療していたそう。

この頃はまだ、水蒸気蒸留法は確立してないのでオリーブ油などに花や葉を浸して芳香成分を抽出していました。

イスラム時代

イブン・シーナによって水蒸気蒸留法が確立。
これにより精油の製造が可能となりました。

彼は、バラと金属を用いた実験で、偶然バラの精油を抽出することに成功します。
このバラの精油で医療を行い、外科的手術後の傷後に塗布したところ治りが早いことを発見。

その後、イブン・シーナが確立した水蒸気蒸留と精油を用いた医療がヨーロッパ圏に広がっていきます。

中世ヨーロッパ時代

十字軍遠征によりアラブの香料がヨーロッパへ。
ヨーロッパではペストが流行し悪魔除けのために精油や芳香植物が大量に消費。

また、最古の香水と言われる「ハンガリアンウォーター」は若返りの薬され、植物の香りが使われたのもこの頃。

◎おまけ
フィレンツェのメディチ家からフランス王家に嫁いだカトリーヌのため「王妃の水」が調合されました。これが世界初のオーデオコロン「アクア・ミラビリス(不思議な水)」となったと言われています。

近時代

18世紀には科学者たちが植物の研究からカフェイン、モルヒネなどの物質を発見し単離抽出(特定の要素のみ取り出すこと)に成功。

これにより、化学で生み出される医薬品が医療の中心となります。

◎おまけ
実験中に負った火傷にラベンダーオイルをかけて治療したことからフランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセが精油の研究を行い、その後「Aromatherapie」を出版。
ここからアロマセラピーという自然療法がスタートしました。

ガットフォッセに続き、アロマセラピーを学術レベルまで引き上げたのはフランスの軍医ジャン・バルネ。
彼はインドシナ戦争に従軍し、傷病兵に精油を用いた治療を行いました。

彼はあえて、現代西洋医療の治療を避けたのではなく、医薬品が不足していたため精油による代替補完療法をおこなったのです。
こうした経験とその後に重ねた効果・効能の検証と研究の成果をもとにバルネは「ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法」を著しました。

フランスで精油が薬剤として認められ、アロマセラピーが健康保険適用の医療行為とされているのは、彼の功績によるものだそうです。

日本の香りの歴史

日本の香りと言えば、パッと思いつくのは「お香」ではないでしょうか?

私たちと馴染みがあるお香は、中国からの仏教伝来により日本に伝わってきました。

この頃から、仏前の供養品、儀式や生活の中で使われてきました。

飛鳥時代

595年、淡路島に漂着した香木(沈香)が聖徳太子に献上されたと伝えられています。
また仏教伝来とともに、多数の香木が一緒に渡来しました。

中でも名香とうたわれるのは、現在も正倉院に貯蔵されている国宝「蘭奢待」という香木です。

745年には、鑑真和上が32種類の香りの材料を日本に伝え、さらに数種類の香木を練り合わせて焚く「薫物」の調合ほうを日本にもたらしたとのことです。

平安時代

お香は香りそのものを楽しむ「貴族のたしなみ」として使われるようになりました。

また、貴族の中ではそれぞれ独自の香りを作り香りの優劣を争う「薫者合わせ」という遊びも流行したそうです。

「源氏物語」にも、光源氏は着物の袖から香りを漂わせ恋人との逢瀬に出かけたという記述があります。
光源氏が香りをつけて女性と逢瀬に出かけ、女性は香りで高貴な香り=光源氏であったと察知するなど男性も身だしなみの1つとして香りが使われました。

鎌倉時代

この頃から、武士たちはゆっくり香りを楽しむのでは無く戦いの前にお香を焚き緊張をほぐす、集中力を高め士気を高めるといった使い方をしていたそうです。

室町時代

香りを鑑賞する「香道」が確立。
香道は御家流、志野流といくつかの流派に分かれ、作法も異なります。
また、足利義政の命により三条西実隆、志野宗信らは177種の高木を体系化し、今にも伝わる「六国五味」を整え、香木の発展に寄与されたと言われています。

戦国時代

織田信長が、正倉院の御物「蘭奢待」の香木を斬り自分の権威を世の中に示した。

蘭奢待とは?
権力者にとって、この高木を持つことがステータスとされていた。
やがて、「蘭奢待を持つもの=天下人」という伝説が生まれる。
実際に、蘭奢待には足利義政、織田信長、明治天皇という時の権力者たちが切り取り、その切った場所には付箋が残されいる。

明治時代〜現代

固形の香木を楽しむ日本の文化、一方精油や香水という液体で楽しむ西洋文化が融合したのが明治時代になってからとなります。

コロナ禍の影響もあり、より一層注目が集まっている精油。
マッサージだけでなく、生活の一部や諸外国では治療にも使われています。

私自身も含め、これからも多くの人に素敵な効果を発揮してくれることに期待大です。









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