たびたび書店開業への道#04水道筋商店街でゲリラ出店
1月19日(日)、いつもお世話になっているスタンディングバル和inさん前で、ゲリラ古本市を行いました。場所は神戸市灘区の水道筋商店街です。休日買い物に出るファミリー層をターゲットに、児童書と絵本を多めに準備。10時に開店した後、しばらくは暇だったのですが、11時を過ぎるとものすごい人だかりになって。目の前にいる人の人数を数えました。1、2…。15人いました。
その後、何だかんだと売れ続けました。さっき目の前を通りすぎた方が、その帰り際に店を覗いて「むっちゃ本減ってる!」と驚いておりました。
いろいろなお客さんと交流できて面白いです。温かいお茶を差し入れてくれた方。「僕は本買わなかったから、これ飲んで」って。見ず知らずの方なのに、ありがたや。
「自分のうちにいろいろ余っている本があるから」と言って、わざわざ持ってきて下さった方。そしてさりげなく、棚や箱に差し込んでいく優しさよ。
また、図書館行政について、僕に持論をとことん展開されつつ、お客さんが来たら半ば強引に売りつけてくれる方。お客さんはその勢いに押されて買ってしまうのが面白い。ありがとうございます。比較的高額な作品、売れました。1000円くらいだけど。
僕の手元から旅立った本は、合計102冊。今回は、児童書と絵本を中心に売れていきました。今まで出店した時と違うのは、ヨシタケシンスケさんの絵本が出なかったことかな。在庫をあまり並べなかったこともあると思いますが、意外でした。小学生のお客さんが多く、銭天堂やおしりたんていには食いついて来ました。高学年の女の子たちは「5分後に…」のシリーズをお小遣いで買っていきました。
元神戸大学の先生は、新書をいろいろ買ってくださいましたし、かなりご高齢の女性が「おらおらでひとりいぐも」などの小説をご購入いただいたのも印象深いです。
ゲリラ出店から数日経った今日、和inさんでしこたま呑んで水道筋商店街を歩いて帰る途中、閉店したキリン堂薬局のシャッターの前で、親子連れが話していたのを耳にしました。
「お母ちゃん、キリン堂閉まっちゃったね。ここ次は何になるのかなあ」
「何だろうねえ」
「私、本屋さんだったらいいなあ」
どきっとしました。
このような立派な場所では開店できませんが、僕は5月から近所で小さな書店を構えます。自分の嗜好を反映させて、小説、エッセイ、サブカル系などを中心に置くつもりでしたが、改めて児童書っていいなと思いました。そして、置くのなら古本で置きます。手に取りやすい価格で。お小遣いで買ってくれたりすると、泣いて喜びます。ずっと小学校で勤務していて、図書館や学級文庫には力を入れてきました。本を読んでくれると嬉しい。さらに、お小遣いで身銭を切って、自らの意思で本を買ってくれるなんて、こんなに幸せなことはありません。その分、責任も感じますが。
今回の出店は、商店街にある本屋として、何を推して行けばいいのかを考えさせられました。なので、ラインナップはちょっと他の独立系書店とは異なる感じになりそうな気がします。
街に溶け込みたいから。
でもいわゆる「町の本屋」ではありません。大手の取次を使って雑誌を並べるような余裕はないのです。僕は今までいろいろな書店に足を運んできましたが、自分の構想している書店は今までに見たことのない選書や業態になるかもしれません。
ずっと、コンセプトがぶれまくってます。でもそれもまたいいかと。これまで訪問した、いろんな書店の店主がおっしゃってました。「お客さんに教えてもらうといいですよ」
日曜日のゲリラ出店で、いろいろ教わりました。経験は財産ですね。
明日は物件を正式に契約します。その後は、やること山ほど。
本音で言うと、もっと本を読みたいですね。
昨日は土門蘭さんの「死ぬまで生きる日記」と、くどうれいんさんの「わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版」を読みました。最近は、女性作家の本ばかり読んでいます。
では、また。