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一年越しのさよなら

昨日のこと…

外は雨…
母の納骨なのに、雨か…


蓋となる石がやっと揃ったのだ。
一周忌前に出来上がって良かった。

家が大好きだった母が最後に過ごすことになるんだな、と思い沢山の花を前日に飾り
今母の骨壷を見ている。

骨壷を抱き抱え、
玄関をでる。
私の息子が、
『重くない?持とうか?』
私は、
「ありがとう。最後だから、持たせて…」

抱き抱えた骨壷の母に、
「空に引っ越す前は、あんなに軽かったのに、
太ったんじゃないの?笑」
と言いながら、
先に車に乗っていた父に
母を託した。

霊園へと向かう。
家族が見守る中、
スタッフの方が母を中へと移す時の事だった。

   【またね】

そう母が言った。

樹木葬に入った母を家族で
最後の確認をした。

蓋がされた…

土砂降りだとの予報にもかかわらず、
小雨ですんだのだ。

きっと母が、空で
【大切な家族を濡らすわけには、いかないの!】
と、空で大きな傘を広げていたに違いない。
あんなに、かよわい母の
最後の家族愛に脱帽だ。

そして、
『また、泊まりにこいよ』
と、
父が母に言葉をかけた瞬間、
父と母は、本当に愛し合っていて、大切にしていたのだとあらためて、胸に刻んだ。
90歳近くでも、
母を愛し、優しいメッセージを伝えられるって、尊敬する。

母が姑たちにいじめられ、台所で泣いていた母を後ろから見上げていたあの頃の私よ、
あの時、
私が母を絶対に守る!と誓った3歳の私に、

「頑張ったよ!
精一杯、頑張れたよ。
約束は果たしたよ!」

と伝えた。

いつもそばにいるのが当たり前じゃない。
いつも、大切なものが、
そこにあり続けることはない。

会いたい人
会える人がいたら、
会いに行ってほしい。

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