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いろいろちがう
昨日とはちがう朝が来る。
校門まで来ると、その違いがもう見える。
「おはよう」
そこに立っていたのは小松田先生だった。
校長先生が立っている学校とか、
あいさつ運動で子どもたちが立っているのはあるけれど、
まさか自分の担任の先生が立っているとは思わなかった。
わたしが小さな声であいさつしながら通り過ぎる。
すると
「おはようございます。小松田先生」
「あ、おはようございます、小松田先生」
と下の学年の子たちの元気なあいさつが飛んでくる。
振り返ると、先生が笑いながら応えている。
中にはハイタッチしている子もいる。
すごいな。
もう、おぼえられたんだな。
昨日の自己紹介でだな、
そう思いながらわたしは教室へ向かう。
教室に入ると、
また違うものが目に飛び込んでくる。
黒板の前に給食台が広げられていて、
たくさんの空き箱が並べられている。
空き箱の前から貼られた紙がたれ下がっている。
家庭調査票、健康手帳、保健カード、etc・・・
これは提出物入れだ。
しかもそれぞれの箱のわきに、細長い紙がある。
よく見るとそれは名簿だった。
「出したらチェックしてね」と書かれてある。
わたしは急いで自分の席まで行ってランドセルを置き、
中から提出物を取り出して、それぞれ入れていく。
そして置いてあるえんぴつで自分の名前のところにチェックを入れる。
今までなら、朝の会にそれぞれ集めていたのに。
これならその前に終わってしまうし、
誰が出していないかも一目瞭然だ。
手抜きというべきか、効率的と言うべきか。
わたしは教室を見渡す。
他にも違和感がある。
まず黒板。
何も書かれていない。
日付すらもない。
日付は黒板の右隣りにある小黒板に、
ホワイトボードみたいな紙を何枚も縦に並べてそこに書いてある。
さらにその小黒板には別の大きな紙で、
「本日のスケジュール」なるものが貼られている。
時間割だ。何するか短い文で書かれている。
なんでこんなことするんだろう。
まあ、見ただけで今日のスケジュールはわかるけど。