広い世界へ
偶然見つけたさかなクンのメッセージを読むことができました。
2006年に朝日新聞に掲載された記事で、『虐められている君へ』と題された、さかなクンからのメッセージです。
『虐められている君へ』
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。
でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。
広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。
ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。
(朝日新聞2006年12月2日掲載)
夏休みは子どもたちの成長を大きく飛躍させてくれます。
新学期が始まり、色んな意味で変化を見せてくれます。
逞しくなった子どももいれば、思考が大人びてくる子どももいます。
クラスメイトとの関りも、一学期とは違って交友関係にも変化があるかもしれません。
子どもたちそれぞれの心の成長の違いによるもので、すれ違いが生じてそれがいじめに繋がることもあります。
今まで仲良くしていたのに、仲良しグループから外されたり、悲しい思いをしている子どももいるかも知れません。
今までの交友関係にしがみついて余計に疎まれたり、深く傷つき落ち込んでしまうこともあります。
友だちが去っていくなら引き留めるのはやめて、新たな世界を構築する方が良い解決策になることもあります。
さかなクンのように、そっと寄り添ってくれる友だちが傍にいるかもしれません。
でも子どもは親や先生にいじめの事実を知られたくない為、わざと明るく振舞ったり嘘をつくことがあります。そこにはやっぱり無理があります。
そんな我が子のちょっとした変化に気付いたら問いただすのではなく、外の世界に連れ出してあげてください。
新たな友だちが同じ学校内にいるとは限りません。
外の世界を知ることも、我が子の成長に大きく貢献することもあります。
私もこのさかなクンのメッセージに同感です。
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