宗教や信仰についての雑記 #167
今回は前回の続きです。
受容とコミットメント療法における認知デフュージョンとは、思考や感情と距離を置き、客観的に捉えるプロセスです。
デフュージョン(defusion)とは、心理学用語で「拡散」とのことです。これは、情緒反応から心理的な刺激を分離させることを意味するそうです。脱フュージョンとも訳されることもあります。フュージョンとは心理学用語の認知的フュージョンの略で、自分の思考や感情が現実そのものだと思い込んでしまうことです。
例えば、「私はダメな人間だ」という考えを現実そのものと思ってしまうと、自己肯定感が低くなり、ネガティブな行動につながる可能性があります。
認知デフュージョンでは、以下のような方法で、思考や感情との距離を置きます。
ラベリング
思考や感情にラベルを付けることで、それらが自分自身ではないことを認識します。
例:
「これは思考だ」
「これは怒りの感情だ」
「これは不安な気持ちだ」メタファー
思考や感情を、別のものに例えることで、客観視しやすくします。
例:
「思考は空を流れる雲のようなものだ」
「感情は波のようなものだ」
「思考は川のせせらぎのようなものだ」デフレクショントーク
思考や感情を別の話題にそらすことで、そのことに捉われ続けるのを防ぎます。
例:
「今、空はどんな色かな?」
「次の予定は何だったっけ?」
「そういえば、最近読んだ本が面白かったな」パロディー
思考や感情を茶化したり、誇張したりすることで、その非現実性を認識します。
例:
「この不安は、世界で一番大きなモンスターだ!」
「この怒りは、火山のように噴火しそうだ!」
「この悲しみは、永遠に続くような気がする」ロールプレイング
第三者の視点から、自分の思考や感情を演じてみることで、客観視しやすくします。
例:
親友に自分の悩みを話している自分を想像して、話してみる。
自分の思考や感情をキャラクター化して、そのキャラクターに話しかけてみる。
これらの手法はそれぞれ、人により合う合わないがあるそうなので、自分にとってより効果的と思われるものを選ぶことが重要であるようです。