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宗教や信仰についての雑記 #235

◯共進化

以前の投稿(#28 , 91)で、「逆転する視線」について書きました。
それは、信仰を持った人がそのことにより持つ「全てが受け身になる」という感覚のことです。

それまでは自分が世界に働きかけていたのが、信仰を得ることにより、世界から働きかけられている、という感覚を持つことです。
それは、超越者から見守られている、問いかけられている、願われている、そして、導かれている、といった感覚なのでしょう。

しかし我々の日常生活の中では、自分の意志により決断しなければならない場面が多々あります。
ですから「全てが受け身になる」といった受動的な姿勢は、通過点の一つなのでしょう。

超越者を無限のオートポイエーシス・システムとみなすならば、それは無限の自己生成・自己組織化のプロセスであり、そこにおいて超越者とその「被造物」としての人間は、相互作用を通じて共進化していく関係にあると考えられます。
超越者が新たな「被造物」を生み出す一方で、「被造物」もまた、超越者の自己生成・自己組織化のプロセスに影響を与え、変化させている可能性があると思います。

この相互作用とは、一旦世界に対して受動的な姿勢をとったうえで、再び世界に働きかける能動的な姿勢へと戻ることでもあります。つまり、システム内部からのフィードバックと言えるでしょう。
そうであるならば、超越者と被造物は、相互作用を通じて共進化していく関係にあるとも考えられます。

我々が普段送っている日常は、このような悠久なる不断の共進化と常に接しているものなのかもしれません。そう考えれば、我々の日常への姿勢が変わるのではないでしょうか。
個人的には、そうでありたいと願っています。

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