見出し画像

宗教や信仰についての雑記 #146

◯チップ

先日、チップについての話を耳にしました。ホテルなどでサービスを受けたときに払うチップのことです。

チップとは元々は富裕層の人たちが使用人や下男、女中などの人々に、慰労や感謝のしるしとして渡したものがその由来だそうです。
日本の旅館などで見られる「茶代」や「心付け」も、それと同様のものらしいです。

その話を聞いて、宗教にも「賽銭」や「献金」、「布施」といったものがあるなと、ふと思いました。

神道の賽銭とは、神様から福を受けたことに対するお礼として奉納するもののことだそうです。
また、キリスト教の献金とは、神への感謝を込めて教会の維持や伝道などのためにささげられるお金のことだそうです。

仏教の布施とは、大乗仏教の修行である六波羅蜜の中の一つで、悟りを求める菩薩が行うべきものとされています。

これら三つの内、賽銭と献金は感謝のしるしですが、布施は修行の一環で、やや性質を異にしているように見えます。
しかし大乗仏教では、悟りを求めるとは、それにより生きとし生けるものを救うということも含まれているようです。

サービスという言葉の宗教的な意味には、神への奉仕や人への奉仕ということも含まれるようです。そう考えると、これら三つはどれも神や人への奉仕とも捉えることができると思います。
その基本にあるのは、我執の克服と感謝の心なのでしょう。

チップはサービスの対価ですが、賽銭や献金や布施は決して何かの対価ではなく、己の心を高めるものなのでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!