確率母関数(統計検定2級対策)
今回は確率母関数について。
(先に断っておくと測度論は扱いません。)
と、その前に私が以前書いた記事も良かったらお願いします。
確率母関数は統計検定2級では残念ながら範囲外ではあるが、だからといってこれを勉強しない手はない。
どんなものなのかを考える前に先に要点を示しておく。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143127823/picture_pc_3c07707c053c9af348d48e3528cc49f6.png?width=1200)
確率母関数となるG(x)を考えることで、期待値や分散を(簡単に)求めることができる。
そもそも2級において期待値と分散を覚えるべき分布は
一様、正規、二項、幾何、Poissonの5つくらい
(χ^2やt,F分布は定義を覚えて使えればよい。)
そして一様、正規の2つは平均と分散は簡単であるからここは省略。
残りの3つについてを考えていく。
さて。
もちろんすべて暗記すれば良いだけと言えばそうである。でも忘れた時に思い出す手段が増えるのは悪くないだろう。
詳しくは最後のファイルを参照して貰えば良いが、微分を計算することで期待値と分散を求めることができる。
そしてその微分は基本的にとても易しい。
(具体的には数IIIの基礎レベル)
だがそこには持っていくまでにはeのTaylor展開などを知っている必要がある。
でも逆に言えばそれさえ分かればあとは全て同じ計算で求められる。
むしろ下手に個別に期待値求める計算方法を覚えるよりはTaylor展開を覚えた方が圧倒的に汎用性が高いし、より多くの分布の期待値を求める助けにもなる。どのみち準1級などで出てくるので先にやっておくと考えれば悪くはないはずだ。
そして再生性などの判定にもこの母関数は有用である。
再生性を持つ分布というのはいくつかあるが、全て覚える必要はない。もし分からなくなったら母関数を見ればすぐにわかる。
(ちなみに幾何分布は再生性を持たない。)
確かに最初は計算が少し難しいと感じることもあると思うが、だからやりません。は勿体無い。
さまざまな人が2級の記事や教材などを作っていて、その人達がこれを扱っているかは知らないが(見てないので...)私は絶対にすべきだと思う。
最後にファイルを添付しておきます。
ここで母関数と書いてあるのは確率母関数の意味。
また証明などは飛ばしていただいて構いません。
中身は母関数についての基礎が書いてあるもので、ここのa,b,cの計算方法だけでも理解していただけたら幸いです。
あとがき的な
私自身は2級の時からこの母関数を使って期待値などを求めていたから何も違和感がないのだが、範囲でないことを考えるとやはりレベルが高いのだろうか...
でも知っていて損は絶対ないし、何より同じ手順で求められるから暗記の量も減るのでありがたい。
この母関数と以前あげたχ^2などのまとめを使えば推定検定は良い点数取れると思う。
あとは確率のところは気合いで計算するだけだし、最後の方の回帰分析はほぼ覚えるだけ。
そして独立性や適合度は完全に覚えるだけ。
そう考えると2級合格は近いと思う。
ただその内容をしっかり理解しようとするととても難しいと思う。
最後に。
私は統計学を初めて勉強したのは昨年度の大学の授業だった。ぶっちゃけその時は大して面白い!とは思わなかった。
ただ友達と話している時に統計検定とか受けたいよな〜と言われてピンときた。
そこから自分で勉強するようになると楽しくてずっとやることもあった。
だから統計学って面白い!ということを伝えたいし、挫折してほしくないのでたまーにこのような統計の内容をあげている。
ただ、私自身は統計を使って何か実務経験があるわけではない。
だから実務に活かすために勉強しています!という人に対しては私があげる内容が適切か?と言われるとそうではないとも思う。
そういった方々は読んでいただいたことに感謝すると共に、ただ純粋に統計学という学問を楽しんでいる人の独り言だと思っていただけたら幸いです。