二重根号について
ミスを直しました!
申し訳ございません!
今回は二重根号について。
共通テスト前だからそれに即したものを書いてみるのと、
教えていると案外忘れている人が多いからまとめとして。
この普段は基礎とか全然書いてないがここでは
「最後の詰め込みに!」
という受験生が見ることを勝手に想定しておく。
この記事を読めば何ができるか?
ずばり次のような問題が解ける!
$${\sqrt{7+2\sqrt{6}}}$$の二重根号をはずせ
また応用問題として次のような問題も解ける
$${\sqrt{48+2\sqrt{527}}}$$は二重根号をはずせるか?
はずせるならそれを計算せよ
本題
二重根号の基礎
まず基礎を復習しておく。
$${\sqrt{a}}$$と書いたときaは0以上の有理数だと思う。
つまり虚数は許さない。
さて考えたい問題はa,nは自然数
bは自然数だが平方数ではないとき次がどう外れるか?ということ
$${\sqrt{a\pm n\sqrt{b}}=???}$$
一応注意しておくが、bが平方数なら根号が取れるので意味がない。
また普段はn=2と思って考えているので必要ならn=2と思えばいい。
だが2である必要ないのでnとしている。
さてここで$${\alpha,\beta}$$を正の有理数で、
$${ \alpha \ge \beta \ge 0}$$を満たしているとする。
(有理数とは整数/自然数の形で書けているもの)
このとき
$${\sqrt{a\pm n\sqrt{b}}=\sqrt{\alpha}\pm \sqrt{\beta}}$$
↑これを(1.1)としておく
とできる必要十分条件を与えたい。
これが次のセッションでの本題。
このセッションでは特にn=2としてみよう。
n=2のときは?
(1.1)にn=2を代入したものを(1.2)とする.
$${\sqrt{a\pm 2\sqrt{b}}=\sqrt{\alpha}\pm \sqrt{\beta}}$$
これが(1.2)
さてこの両辺は0以上であるから二乗してもよい。
(A,Bが0以上なら$${A=B \Leftrightarrow A^2=B^2}$$)
よって(1.2)の両辺を二乗すると
(左辺)$${=a\pm 2\sqrt{b}}$$
(右辺)$${=(\alpha +\beta)\pm 2\sqrt{\alpha\beta} )}$$
両辺が同じになるには
$${a=\alpha+\beta}$$かつ$${b=\alpha\beta}$$
だったことを思い出すと
(ここは教科書などで見返してください)
結局(1.2)は
$${\sqrt{(\alpha+\beta)\pm 2\sqrt{\alpha\beta}}=\sqrt{\alpha}\pm \sqrt{\beta}}$$
と書ける。
ここで解と係数の関係から$${\alpha,\beta}$$は二次方程式
$${x^2-ax+b=0}$$の解であることもすぐ分かる。
これで最初の問題が解ける
再掲
$${\sqrt{7+2\sqrt{6}}}$$の二重根号をはずせ
解答
これは7=6+1,6=6*1より
$${\sqrt{7+2\sqrt{6}}=\sqrt{6}+1}$$
なんだこんだけか!という話なのだが
なんか記憶では2のところが4とか6だったり、なんか作り出したりしたような?
と思われるかもしれないがその記憶は完璧に正しい。
もちろん無理やり作り出せば解けるのだが次では別のアプローチを見ていく。
(1.1)を思い出そう。
nを自然数としていたからここさえ覚えれば全対応できそうではないか?
ということで次ではそれを見ていこう!
(1.1)について考えていく
$${\sqrt{a\pm n\sqrt{b}}=\sqrt{\alpha}\pm \sqrt{\beta}}$$
について先ほどと同じように考えてみよう
まずは二乗する
(左辺)$${=a\pm n\sqrt{b}}$$
(右辺)$${=(\alpha +\beta)\pm 2\sqrt{\alpha\beta} )}$$
これも先ほどと同様に比較していくが
二式目に注意する。
両辺が正なので二乗しても同値なことを意識すると
$${a=\alpha+\beta}$$かつ$${bn^2=4\alpha\beta}$$
ということはこの時$${\alpha,\beta}$$は次の二次方程式を満たす。
$${x^2-ax+\dfrac{bn^2}{4}=0}$$
さてここで$${\alpha,\beta}$$は特に有理数であるから解の公式を使ったときのルートの中身、つまり判別式が適当な自然数cで
(中身)$${=c^2}$$と書けてほしい。
ゆえに
$${a^2-bn^2=c^2}$$となる自然数cがあれば二重根号をはずせそうである。
逆にそのような自然数cが存在するとき
$${\alpha=\dfrac{a+c}{2},\beta=\dfrac{a-c}{2}}$$
として先ほどの議論を辿っていけば
結局二重根号をはずせる必要十分条件は
$${a^2-bn^2=c^2}$$となる自然数cがあることで
そのとき
$${\alpha=\dfrac{a+c}{2},\beta=\dfrac{a-c}{2}}$$
であることが分かった。
これを使って
再々掲
$${\sqrt{7+2\sqrt{6}}}$$の二重根号をはずせ
を解いてみると
まずcを求めると
$${7^2-6*2^2=25=5^2}$$だから二重根号をはずせて
特に
$${\alpha=\dfrac{7+5}{2}=6,\beta=\dfrac{7-5}{2}=1}$$
である。
では二問目もみてみよう
再掲
$${\sqrt{48+2\sqrt{527}}}$$は二重根号をはずせるか?
はずせるならそれを計算せよ
$${48^2-4*527=196=14^2}$$だから分解できて
$${\alpha=\dfrac{48+14}{2}=31,\beta=\dfrac{48-14}{2}=17}$$
と出来る!
練習問題
次の二重根号ははずせるか?はずせるなら計算せよ
1 $${\sqrt{5+2\sqrt{3}}}$$
2 $${\sqrt{7-3\sqrt{5}}}$$
3 $${\sqrt{11+7\sqrt{2}}}$$
解答は
こちらあたりを参考に
あとがき的な
今回は二重根号について書いてみた。
共通テストに近いということで共通テストに即したものなのだが
正直出るの?と思っている。
いろいろな人が予想しているらしいのと、最初に書いた通り苦手な人が多いと感じたから書いたが…
まあ出たらラッキーでなくても新しいことを知れてラッキーくらいに思ってもらえたらいいと思う。
後半は少し難しかったと思う。
とりあえず前半はしっかりと解けるようにして、後半はもし共通テストで出てきたらなんとなーーーく分かる!くらいになっていたらいいと思う。
出るならどうせ同じような誘導あるだろうし。
新課程になって一番最初のテストで不安などの声もよく聞くが
条件は基本的にみんな同じ!
今までやってきたことをしっかりと出せるように頑張れ!!