初めてのオンラインライブ参戦で色々考えさせられた
遡ること役三年のこと。今やnoteにも度々投稿しているOWVの、2020年12月27日に開催された初のオンラインファンミーティング「OWV OFFICIAL FANMEETING~ROUTE Ⅰ~」の話である。当時の所感を書き残したものが出てきたので投稿しておく。
コロナ渦でまさかの推しアイドルグループがファンミーティングデビューした。しかもまさかのオンラインで、さてどうするかというところだった。
と言うのも当時の私はまだ精神障害の治療を受ける前で、バンドのライブは親の付き添いのもとごく稀にに行っていたが、ライブのチケットを取るどころか、オンラインショッピングもままならなかった。グッズさえ買えなかったのである。しかし「どうしてもこの人たちの歌とダンスを生で見たいぞ!!」という人たちが登場したわけで、悩みに悩んだ。
しかも同系列かつ別事務所のグループのライブが、スタッフ/イベンターが良くなかったらしく、評判が悪く非難轟々だったことと、個人的には「現場に行きたい」がNo.1プライオリティーだったのでめちゃめちゃ迷ったのだ。しかしこのファンミーティング、GoTo割でお得だったのはかなりデカかった。¥3000未満のイベントってすごいお得だなと思った。¥5000前後のライブしか行ったことがない人だったから。しかも調べたら最近のライブって高いんだなと。万とかするんだ…と正直驚いてしまった。しかも「どうせならペンライト欲しいな」とか思い始めたらキリがなかったので余計に悩んでしまった。
滑り込みで前日にチケットだけ決済した結果、感想文を書いてしまうくらい大正解だった。オンラインライブ/イベントがどんな物か勉強になった気がするので感想をシェアしたい。
ライブがとても良かったのは置いといて、とにかく主催会社の企画力が勝負
全体的な見易さは収録パートとライブパートをいかにうまく使い分けられるかにかかっていると感じた。いい感じに盛り上がるタイミング(実際は着替え等をしている)で映像を差し込んで、映像自体もコンテンツとして面白いものにする必要がある。つまり主催者がいかにコンテンツ制作慣れ、イベント慣れしているかにオンラインライブの面白さがかかっている。
今回の主催は吉本興業で、比較的気軽ににお笑い芸人を司会にキャスティングできる点に強みがあった。デビューしたてのタレントだけに回しをやらせるのもなんだし、と言うこともあってお笑いコンビのニューヨークをデビュー発表会見の司会に呼んだのに引き続き、今回の司会にも抜擢。ライブ以外のゲームコーナーなどもスムーズに進行した。
サプライズがあるのも嬉しい。別途手続きのいらないプレゼント企画や未発表曲のパフォーマンスは持ち曲の少なさというハンデを埋めることができたと思う。
ライブならではのラインをどこまでうまいこと攻められるか、というのも鍵だった。イベントのクイズコーナーではメンバーがヘッドホンをして曲を聴きながらダンスを踊り、その振り付けだけを見た他のメンバーが曲を当てるというものがあった。
オンラインライブは「会場のみで行われ、ソフト化しない部分」が存在しない。基本的にアーカイブが残るため、商品・企業や著作物への言及範囲をどうコントロールするか、つまり映像媒体とライブの間にある権利の取り扱いラインをどう引くかがものを言うと感じた。
ライブカメラについて
映像体験の質はカメラマンとスイッチャーの力量に完全に依存する。
今回のライブでは非常に満足できるものになったが、将来的に自分で切り替えられる自由視点映像などが使えるようになってもいいかもしれない。(キヤノンが2019年のラグビーの大会で試験導入したようなもの)3D再構成でなく映像そのもので可能かはわからないし、各社のサーバー力、5Gなどにも期待がかかるところだろうか?
前述した非難轟々だったオンラインライブのグループのメンバーは人数が多かった。それと比較するとメンバー人数が少ないほどカメラミスが少ないのかもしれない。同系列かつ別事務所のグループは10人超えで、カメラワークのミス多発でクレームが続出した。やはりダンス&ボーカルはカメラで捉えるには5人までが許容範囲と想像する。
少し気になったことと言えば、余計な演出はない方がいいといいうこと。スモークなどの特攻が入ると視界が不明瞭になるらしく、そちらも今回は取り入れられていないのがとてもよかった。
演者とのコミュニケーション
今回はファンミーティングということでトークパートがが多い公演となった。海外向けのチケット販売の案内はあったが、結局のところ海外から見えても言語がわからないとトークの内容についていけない。将来的に気軽にリアルタイム多言語字幕が実装できるようになると良いと感じた。AI字幕と自動翻訳の精密さに期待がかかる。
チャットが機能するか
今回は視聴ページ専用チャットがあり、ライブ中のみオープンでアーカイブはなし。結論から言うと機能不全で、ほぼ無言だったし、司会含む演者も見ていない。無観客ということもあり余計にコミュニケーション不足を感じた。Twitterではハッシュタグつけて盛り上がっていた。これは後で本人たちにも見てもらえるので、声を届けるという方法としては最善だったかもしれない。画面横にAPIを使うなどして埋め込むことなどを考えても良いかもしれないと思った。(歓声の音漏れみたいなイメージで)
やはりニコニコ動画は偉大で、それに加えて荒らしの排除に工夫を凝らしたBiliBili動画のシステムは、特に今回のようなケースでは、かなり羨ましい。BiliBili World 2020の易安音乐社出演部分を見たが、サイドスクリーンにコメントが流れるのはなかなか良さそうだ。カメラワークが完全に失敗しているのは中国あるあるなので大目に見てほしい。
以上、三年前に書き残した文章でした。今やオンラインイベントやライブも普及してきて、ノウハウが蓄積しつつあるように思う。AI字幕翻訳の話はだいぶ先かもしれないが、実現不可能ではないように思うので業界にはもっと盛り上がって欲しいところだ。
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